超高速トランジションの打ち合い、全員バスケが機能した秋田ノーザンハピネッツがB3長崎ヴェルカの挑戦を退ける

超高速トランジションの打ち合い、全員バスケが機能した秋田ノーザンハピネッツがB3長崎ヴェルカの挑戦を退ける

2021/10/31 17:16
秋田ノーザンハピネッツ

「秋田と長崎はほぼ同じディフェンスのシステムです」

2大会前の王者であるサンロッカーズ渋谷に競り勝った長崎ヴェルカが、秋田ノーザンハピネッツと対戦した。

秋田はSR渋谷同様に激しいプレッシャーディフェンスが売りのチーム。SR渋谷と比較するとオフェンスでは個人能力がない分、トランジションでとにかく走る。その秋田に対し、長崎はトランジションでの真っ向勝負を選択。どちらも激しいディフェンスから走る、超アップテンポな試合となった。

ハビエル・カーターにマット・ボンズと取るべき選手がきっちり得点を重ねていく長崎に対し、秋田は日本人選手も含めて全員がフィニッシュに絡んで上回る。長崎は第2クォーターに入ってディフェンスの強度を上げ、ファウルを使ってでもイージーシュートに持ち込ませず、榎田拓真の3ポイントシュート、山本エドワードとカーターのツーメンゲームと得点を重ねて猛追する。

それでも秋田には、全速力で走りながらパスを合わせるコンビネーションの良さがあり、前半で出場した10人すべてが得点を記録。3ポイントシュートは長谷川暢の1本しか決まっていなかったが、2点シュートは26本中22本成功の84.6%という驚異の決定力で長崎を上回り、54-43とリードして前半を終えた。

秋田の前田顕蔵ヘッドコーチは「秋田と長崎はほぼ同じディフェンスのシステムです」と試合後に語る。長崎の前田健滋朗アシスタントコーチは直近の2シーズン、秋田のアシスタントコーチを務めていた。「スカウンティングしている時点で全く同じ。渋谷を倒して勢いがあるし、ビハインドになってもあきらめない素晴らしいクラブでした。ですが、システムを知っているので、弱いところも知っています」

後半、長崎は秋田の攻めに対抗しようと合わせのパスを狙って手を伸ばすも、ディフレクションはできてもスティールにはなかなか持っていけない。多田武史がクロックのないところで3ポイントシュートをねじ込めば、直後に近藤崚太が3ポイントシュートを決め返すなど、一進一退ではあるが秋田が2桁のリードをキープし続けて試合は進んだ。

前半2得点のジェフ・ギブスがアタックモードに入り、第3クォーターだけで9得点。粘り強いディフェンスからルーズボールを拾うと一気に走って髙比良寛治の得点に繋げるなど、良い攻めの続いた長崎は一時は10点差まで迫ったが、そこから先は秋田が崩れない。この流れは第4クォーターに入っても変わらなかった。

秋田ノーザンハピネッツ

「ウチの選手たちは相手のセットプレーなんて一つも知らないです」

残り5分、長崎がこの壁を破る。ジョーダン・グリンのアタックをチームで止めてシュートに行かせず、続く攻めではカーターがセカンドチャンスをねじ込んで81-89と8点差に。残り3分半から狩俣昌也の3ポイントシュート、ボンズがスティールからワンマン速攻に持ち込みフリースローを得て87-93と6点差まで迫る。それでもグリンがオフェンスリバウンドをねじ込み、速い攻めから古川孝敏がステップバックのジャンプシュートを決めて再び10点差へと突き放した。長崎は劣勢の中でチームを支えた3ポイントシュートに逆転を託すが、これが決まらずに万事休す。試合を通じてターンオーバーが多かった秋田だが、試合をクローズするこの場面では相手のオールコートプレスにボールを失うことなく時計を進め、102-92で競り勝った。

長崎を率いる伊藤拓摩は、秋田の3ポイントシュートを止めることをディフェンスの第一に置いたと試合後に語る。その3ポイントシュートは14本中成功わずか4本と抑え込んだが、「そこを意識しすぎて簡単にバックカットされたり、簡単なレイアップが多かった。でも、タクティクスよりは相手をすごくアグレッシブに、乗せてしまった印象です」と語る。「2試合連続でB1でもトップの激しさがあるチームと戦って、足に来ていた部分もあったと思います。その中でも最後まで戦えたのは、特に若手にとっては今後に繋がると思います」

長崎は前日にSR渋谷を破るアップセットを演じていた。やりづらい相手との対戦を前田ヘッドコーチはこう振り返る。「カテゴリーがB2、B3と付くだけで、クオリティで言うと素晴らしいチーム。B1を熟知した選手がいて、ヘッドコーチに伊藤さんが、アシスタントに健滋朗がいて。B1でも戦えるチームですよ。簡単じゃなかったですし、勝てて良かったです。でも僕としてはタイムシェアして選手を潰さない。その中でこの2試合を取れたのは本当に良かったと思っています」

これで秋田は明日13時から、京都ハンナリーズと西宮ストークスの勝者と対戦する。3連戦の難しさを問うと、前田ヘッドコーチは苦笑いを漏らしながらもこう答えた。

「佐賀県は大好きです。ですが、秋田からこの距離を移動してくる、しかも水曜ゲーム明けでケガ人もいる。練習よりはどれだけリカバーするのか、情報をどれだけ削って選手に与えるか。この2日間で言うと、ウチの選手たちは相手のセットプレーなんて一つも知らないです。シンプルに作って自分たちのプレーに集中させました。正直、大変ですね。3試合連続は初めてで、明日は未知のところです。外国籍を出さない時間帯があるのはなぜかと思うかもしれませんが、そうしないと明日、体力がもたないと思うので」

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