ウィスマンヘッドコーチ「先週に良い試合をしたが現実を見た」
群馬クレインサンダーズはホーム開幕戦で千葉ジェッツに74-103の大敗を喫した。千葉は昨シーズンの王者で、もちろん一筋縄ではいかないことは分かっていた。それでも、昨シーズン準優勝の宇都宮ブレックスに開幕節で2戦連続となる延長戦を制したことで、その再現を期待したファンも少なくなかった。しかし、現実は甘くなかった。
指揮官のトーマス・ウィスマンは「千葉は良いチームだし、素晴らしいプレーをしていた」と前置きをした上で、「がっかりした」と試合後に語った。「私たちは何もできなかった。富樫勇樹選手のピック&ロールに対処しきれなかった。それでも、自分たちが戦っていなかったのが一番の敗因。戦う姿勢がなければ戦術も機能しない。先週に良い試合をしたが現実を見た」
絶好調の富樫を止めることができずに28得点を許した。だが、ウィスマンが強調したのはあきらめずに戦う姿勢を最後まで示せなかったことだ。大事なホーム開幕戦で不甲斐ない試合をしてしまい「言い訳はできない。ファンの皆様には大変申し訳ない試合をしてしまった」と語り、厳しい表情で会見を後にした。
富樫のパフォーマンスだけではなく、自分たちの強みを消されたことも敗因の一つだ。トランジションオフェンスが機能し、トレイ・ジョーンズのアドバンテージを生かして宇都宮を破ったが、そこが出せなかった。
キャプテンの笠井康平は言う。「ずっとと言っていいほど、千葉のリズムで試合が進んで、自分たちの良いところが出ないまま終わった試合でした。良くはないんですけど、トレイに預ければある程度打開してくれる。それでオープンが作れたり、ディフェンスを崩せたんですけど、トレイへの寄りが速く、インサイドで思っていたよりもアドバンテージが取れずにボールが落ち着かなかったです。オフェンスの終わり方が悪い分、千葉の得意なトランジションに持ち込まれてしまいました」
「どう守れば確率が落ちるかを頭に入れながら情報を整理して明日は戦う」
ディフェンスからリズムを作り、良いオフェンスに繋げる。これはどのチームも共通して目指していることだが、攻防は表裏一体であり、その逆のパターンも大いにあり得る。実際に富樫は「千葉でもあるんですけど、オフェンスが上手くいかない時にディフェンスもダメになってしまう。そうすると、用意してきたディフェンスもチームとしてできない、群馬はまさにそういう状態だったのかな」と、今回の群馬のパフォーマンスを分析した。
事実、笠井はディフェンスの綻びに思うところがあったと言う。「ルールが決まっているようで決まりきっていない。(オンドレイ)バルヴィンだったらこうとか、誰の場合はどういう守り方をすると決めていたんですが、思っているよりも声が届かなかったですし、どっちに行かせればいいかのコミュニケーションミスもありました。正直、チームで設定していた守り方では厳しいなと思う部分もありました」
富樫が2試合続けて第1戦と同レベルのパフォーマンスができる可能性はそこまで高くないだろう。それを分かっているからこそ富樫も「同じようなゲームにはならないと思う」と気を引き締め、笠井は「どう守れば確率が落ちるかを頭に入れながら情報を整理して明日は戦う」と、冷静に第2戦へのリベンジを誓った。
第2戦の結果次第では、宇都宮からの勝利も『フロック』と言われかねない。真の実力が問われる、群馬にとって大事な第2戦となりそうだ。
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