腰を手術して評価を落とし、ナゲッツの1巡目14位まで指名されず
ナゲッツのマイケル・ポーターJr.は、3年目の昨シーズンに主力として平均31.3分のプレータイムを得て、19.0得点、7.3リバウンドを記録した。キャリアベストをマークした彼は、現在チームと延長契約に向けた交渉を進めており、大型契約を結ぶ可能性が高い。
しかし、2018年のドラフト前の時点では、ポーターJr.には「NBAでは活躍できない」との否定的な声が多かった。その才能は高校時代から称賛され、一時はトップ5での指名確実とまで言われたのだが、大学時代に痛めた腰を手術したことで選手としての評価を落とし、2018年のトップ10指名権を保持していた球団はことごとく彼の指名を見送った。
最終的に全体14位でナゲッツが指名したものの、本来のルーキーシーズンは2度目の腰の手術により1試合も出場できなかった。それでもあきらめずにリハビリを続けた結果、ポーターJr.は2019-20シーズン途中にNBAデビューを果たし、現在に至る。
ドラフトを前にシカゴで開催されたコンバインで、ポーターJr.はあるNBA球団のドクターに腰を診察され、「トップレベルではプレーできない」との診断を下された。JJ・レディックのポッドキャスト番組に出演したポーターJr.は「あれは『Pro Day』の2日目で、診察台に横になってトップ10チームのドクターの診察を受けた。クリッパーズからはドクターの責任者が来ていて、『彼は二度とプレーできない』との診断を下されたよ」と明かす。
ドラフト上位指名権を持つチームが必要とするのは即戦力だ。その時点で1年はプレーできないことが明らかで、ケガが完治するかどうか分からないポーターJr.を指名するリスクは犯せなかった。だが、ポーターJr.からすればタイミング悪くケガに見舞われただけで、しっかりと治せばNBAでも活躍できると信じていた。自分の可能性を否定され、チャンスも与えられないまま半ば引退勧告を突き付けられたようなもので、ずっと根に持つのも無理はない。
時間はかかったが、ポーターJr.はナゲッツと二人三脚でリハビリに取り組み、デビューの後は順調にステップアップしている。ニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーに続くフランチャイズプレーヤーとして高額契約を勝ち取れれば、ドラフト前の評価が間違っていたことの証明になるはずだ。