鳥海連志

勝負どころで崩れずにチームバスケが機能

東京パラリンピック、車いすバスケ男子日本代表が初戦でコロンビアと対戦した。

藤本怜央の3ポイントシュートで先制した日本は、秋田啓もミドルシュートで続き先行する。秋田が高さ負けせずにオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスポイントを決めてインサイドでイニシアチブを握れば、鳥海連志がスピードに乗りつつ巧みなチェアーさばきでディフェンスを切り裂き、オールラウンドな活躍を見せて突き放した。

速攻を許すなど、日本のやりたいトランジションバスケをコロンビアにやられてしまい2点差に迫られるシーンもあったが、粘り強いディフェンスを続けて逆転を許さない。第2クォーター中盤、香西宏昭が交代で入ると、日本はオールコートディフェンスでプレッシャーを与える。突破されてイージーに失点する場面もあったが、攻守の切り替えを早め、取られたら取り返すスタイルでリードを保ち、前半を36-28で折り返した。

第3クォーター中盤、川原凜がファウルトラブルに陥ったタイミングで、日本は香西以外の4人を代える大胆な作戦に出る。先発メンバーを休ませながらもリードを保ったことで、この作戦が最後に効いてくる。

7点リードで迎えた最終クォーター、川原が開始20秒で個人4つ目のファウルをコールされたが、勝負どころととらえメンバーチェンジをしない。その後、約3分間互いに得点が決まらない我慢の展開となったが、鳥海のバックビハインドパスから豊島英のレイアップに繋げるビッグプレーが生まれた。このプレーで勢いに乗った日本は24秒バイオレーションを誘発し、コンビプレーも冴えてリードを拡大。残り2分30秒、藤本のミドルシュートが決まり、再び点差を2桁に乗せたところで勝負を決め、最終スコア63-56で勝利を収めた。

特にマルチな活躍が目立った鳥海は15得点16リバウンド10アシストのトリプル・ダブルを達成し、勝利に大きく貢献した。日本は明日の20時30分から韓国と第2戦を戦う。