トランジションを封じられる中で、攻守に全員バスケを貫く
東京パラリンピックの車いすバスケ女子日本代表は、第2戦となるイギリス戦で54-48と勝利した。
スペースを巧みに埋めるイギリスのディフェンスにファストブレイクを封じられ、スクリーンを使ってパスを回すもローポインター(障害の重い選手)の選手に得点が生まれず波に乗れない。それでも粘り強いディフェンスで崩れず、萩野真世(競技クラス1.5)の得点を機に藤井郁美、網本麻里の連続得点で逆転に成功。第1クォーターを12-12で終える。
すると日本は第2クォーター開始から5人すべてを入れ替えてスピードアップを図る策が的中する。小田島理恵の3ポイントシュートを皮切りに、昨日に続くセカンドユニットの活躍で、9-1のランで相手を突き放した。両チームともにディフェンスがオフェンスを上回る展開の中、日本はリードを保ち続けて25-21で試合を折り返した。
初戦では73得点とオフェンスが爆発した日本だが、この試合ではトランジションに満ち込めず得点が伸びない中で、粘りのディフェンスとリバウンドを続ける。激しく車いすをぶつけて良いポジションを取らせずにタフショットを打たせ、リバウンドではティップで繋いで高さの不利を帳消しにした。第3クォーター開始5分間は無失点。この間に点差を2桁へと広げた。
41-29で迎えた最終クォーター、イギリスのオールコートプレスに慌ててしまいターンオーバーが続き、ディフェンスの強度を落とすことなく耐えるものの残り4分半で47-43と4点差まで詰め寄られる。それでも荻野がゴール下に飛び込む柳本あまねへのアシスト、続いてチームが作ったオープンシュートのチャンスをきっちり決めて、残り2分半で51-43とイギリスを突き放した。
14得点を奪った相手のエース、ヘレン・フリーマンのシュート力に苦しめられながらも、最後までリードを保って54-48で勝利した。
オーストラリア、イギリスと強豪相手に連勝。相手のフィールドゴールを65本中23本成功(35%)とディフェンスが効き、リバウンドでもイギリスの34に対して40と上回った。藤井は昨日に続いての2桁得点となる14得点を記録。網本が6、藤井と萩野が5とメインの選手にアシストが多く、7選手が5得点以上とオフェンス好調とは言えない中でもチームオフェンスを貫いた結果、イギリスを上回った。
これで開幕から2連勝の女子日本代表は明日、カナダと対戦する。