アンソニー・デイビス&ラッセル・ウェストブルックは相性抜群? 同じ特徴を対極のポジションで実行するコンビに高まる期待

アンソニー・デイビス&ラッセル・ウェストブルックは相性抜群? 同じ特徴を対極のポジションで実行するコンビに高まる期待

2021/08/23 11:30
アンソニー・デイビス&ラッセル・ウェストブルック

崩しまくるウェストブルック、決めまくるデイビス

ウィザーズでのラッセル・ウェストブルックはキャリアハイとなる11.7アシストと11.5リバウンドを記録し、キャリア4回目の平均トリプル・ダブルを達成しました。レイカーズに移籍したことで、同じくオールラウンドに結果を残すレブロン・ジェームズとどのような化学反応を起こすのかに注目が集まります。

しかし、本当に期待するべきなのはアンソニー・デイビスとのコンビプレーかもしれません。

ポイントガードでありながらリーグ2位のディフェンスリバウンド数を記録するなどインサイドでも強いウェストブルックと、センターでありながらガード並みのクイックネスや運動量を見せるデイビスは、ともに豊富な運動量でプレーに絡むハードワークを武器としており、ともにフィールドゴール成功率の低さを弱点としてもいて、『同じ特徴を対極のポジションで実行するコンビ』となります。デメリットが強調されるのか、それとも爆発的な相乗効果を生み出すのか、今はまだ想像もつきませんが、2人の過去を振り返ってみると『最高のコンビプレー』を期待したくなります。

デイビスのペリカンズ時代におけるベストシーズンは28.1得点、フィールドゴール成功率53.4%を記録した2017-18シーズンでした。ドリュー・ホリデーとラジョン・ロンドのポイントガード2人が生み出すムービングオフェンスは、デイビスにとっては『動けばパスが来る』もので、その運動能力が最大限に発揮され、一瞬でもディフェンスを振りほどけば楽にゴール下でフィニッシュすることができました。

レイカーズでもレブロンのコントロールを中心にパスはしっかりと出てくるものの、ホリデーのように切り崩しながらの空間に出す『あとはフィニッシュするだけ』のパスは少なく、ペイント内得点はキャリアベストから3.7も減っています。デイビスはボールを持って対面するディフェンスに仕掛けるよりも、オフボールのスピードと運動量でギャップを作りフィニッシュに絡むことを得意とするだけに、ウェストブルックと組むことで、かつてのホリデーとのようなコンビネーションが機能しそうです。

一方、サンダー時代のウェストブルックにとってはスティーブン・アダムスが欠かせない『相棒』でした。圧倒的な突破力を誇るもフィニッシュミスが多いウェストブルックにとって、フィールドゴール成功率60%を誇るアダムスのフィニッシュ力は重要でした。また、ファンの間で「シュートミスはアダムスへのパス」と言われたように、ウェストブルックの突破によりディフェンスの陣形が乱れるため、アダムスはゴール下でイージーに押し込む機会が数多くできました。その結果アダムスも「ディフェンスリバウンドよりもオフェンスリバウンドが多い」という不思議なスタッツを2シーズン続けて記録しています。

ウィザーズでのウェストブルックはゲームメークに徹したため、アシスト数こそキャリアハイを記録したものの、サンダー時代のような爆発的なプレーの魅力は影を潜めました。特に目立ったのがドライブからセンターへ合わせるパスの少なさですが、単なるフィニッシュ力の問題ではなく、『チームメートの動きを見てから』パスを出していたことが、彼本来の躍動感が出なかった一因です。アダムスであれば動きを確認するまでもなく「ここに出せば決める」というスペースへのパスが出せ、ドライブからパスまでの流れは圧倒的にスムーズでダイナミックでした。

ウィザーズでのウェストブルックは『感覚で出すパス』を自重してチームプレーに合わせた印象でしたが、デイビスならばどんな無茶なパスでも必ず反応してくれます。デイビスからしてもビッグマン離れした反射神経を最大限に発揮し、イージーな得点を増やすことができます。お互いにプレーの精度には課題があれど、ディフェンスが反応しきれないスピードを掛け合わせることで、『崩しまくるウェストブルックと決めまくるデイビス』という良い部分が合わさったコンビになることが期待されます。

また、トランジションでも双方の課題が解決されそうです。昨シーズンのレイカーズはケガに泣きましたが、それでもディフェンスレーティングはリーグトップの106.8を記録しました。ところが推進力あるパサーの不在により、速攻の得点は18.4点から13.3点まで下がり、これがオフェンス力低下に繋がりました。一方でサンダー時代にリーグ最高の速攻を決めていたウェストブルックは、守れないウィザーズではトランジションの機会そのものが少なく、わずか2.7点しか記録していません。

ウェストブルックもデイビスも、相手ディフェンスからすると『チーム全体で待ち構えていれば』ある程度は対応できます。しかし、攻守が連続する中で2人同時にスペースを与えない対応をするのは難易度が跳ね上がります。一方で、2人がお互いのスペースを潰し合う危険性もあります。ウェストブルックの加入が決まった際には「噛み合うのか?」という疑問が様々な形で投げ掛けられましたが、デイビスとのコンビが期待通りのダイナミックで破壊力のあるものになれば、エンタテインメント性に溢れるレイカーショーが見れそうです。

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