辻直人

「広島を変えるのが僕の使命」

8月10日、広島ドラゴンフライズが辻直人の入団会見を行った。

広島の岡崎修司GMは「シューターとしての得点力、オフェンスをクリエイトする能力、ロールモデルとしての役割」という3つの理由から辻を獲得したと明かした。

広島はチャールズ・ジャクソンとニック・メイヨというリーグでもトップクラスの外国籍選手を獲得し、若手ながらポイントガードとして抜群の安定感を誇る寺嶋良をロスターに加えることにも成功した。

辻も「やりがいがある」と語り、広島の持つポテンシャルの高さを感じている。「チームの編成を聞いた時にいけるんじゃないかと思いました。インサイドが強力ですし、リバウンドが強いので思いきってシュートを打てます。中に切り込んだ時も強力な選手がいるとアシストしやすいですし、得点もできるのでいろんなバスケットができます。スクリーンプレーで自分を生かしてもらいつつ、『ギブ&テイク』じゃないですけど、彼らも生かしたい」

大型補強に成功した広島だが、昨シーズンは9勝46敗でリーグ最下位に終わった。良い選手を獲得したからといって、簡単に成績が上昇するほどB1は甘くない。辻もそれを理解し「覚悟を決めてここに来ています。自分が広島を変えていかないといけない思っていますし、それが僕の使命だと思っている」と強い決意を表した。

また、辻は今回の移籍に関して「運命的」という言葉を使った。それは最下位から現在の強豪にまで上り詰めるサクセスストーリーを自らが経験しているからだ。「広島は昨シーズン最下位で、僕が川崎に入団した時も最下位で、その時と似ているなと。選手には自信が必要で、勝ちに対するマインドだったり、どういうチームが勝つのかを見てきたので、そういうのを伝えていきたいです。常勝チームになるために変えていきたい」

このように辻は岡崎GMが求める、『負け癖』がついてしまったチームの雰囲気を変えるリーダーシップを備えている。「僕たちはダークホースになると思っていて、他のチームがやりたくないと思われるようなチームになっていきたい」と語り、プレー面でも「キャリアで一番良い成績を残したいですし、それがチームの成績にも繋がると思う」と中心人物としてチームを牽引していく覚悟を見せた。

そして、チームの勝利はファン獲得の一番の近道であることを知る辻は、ブースターに向けてこのように意気込んだ。「野球やサッカーが盛り上がっている中で、バスケもついていって盛り上げていきたいです。まだまだバスケの魅力が伝わり切れていないと思うので、それをコートで表現し、勝ってバスケは面白いんだということを伝えていきたいです」