「アタックできる選手は数少ない、自分はそこを率先してやるべき」
比江島慎がイランを相手に『エースの仕事』を果たした。昨日行われた国際強化試合、イラン3連戦の初戦に先発出場した比江島は、第1クォーターの6得点を皮切りに、3得点、2得点、5得点とコンスタントに得点を重ねて、22分の出場で16得点をマークした。
3ポイントシュートを積極的に狙うチームにあって、比江島は大型選手が待ち構えるインサイドへのアタックを繰り返し、2点シュートを7本中6本成功させた。チームハイの21得点を奪ったギャビン・エドワーズも2点シュートは9本中6本成功で、この2人がインサイドアタックが成功させたことで、チームの3ポイントシュートも機能したと言える。
比江島は、自身のパフォーマンスについてこう語る。「代表での役割はペイントタッチすることだとあらためてラマスから言われたので、空いたら3ポイントシュートを打ちますが、『まずはアタックして』という意識で。アタックできる選手は数少ないじゃないけど、自分はそこを率先してやるべきという意識はあります。中国の1戦目こそリズムがつかめず、フィジカルディフェンスに対してターンオーバーしましたが、そこからは切り替えて力強くペイントエリア内にタッチできていると思います」
「Bリーグと国際大会は感覚が違ってバスケット自体も違うので、そこに慣れる必要がありました。練習していた部分がなかなかできない環境の中で、そこのアジャストはみんなできていると思うし、個人としてもできているので中国とやれたのは大きかったです」
「しっかり切磋琢磨しながらやれていると思います」
記者からの「自信は取り戻せているか?」との質問に「まあ、もともとあるので」と答えたのは比江島らしいところ。
振り返れば2019年2月、ワールドカップ出場に向けて負けられないアジア予選のラスト2試合、八村塁と渡邊雄太を招集できず正念場となった敵地でのイラン戦で、比江島は24得点の大爆発で勝利の立役者になっている。アジアの強豪イランが相手でも臆するところは全くなかった。
それと同時に、オリンピックに向けたチーム内競争には油断なく向き合っており、その危機感をこう語る。「実際、(篠山)竜青さんが選ばれていないわけで、それが自分に起きるかもしれないという意識はもともと持っていました。みんなワールドカップから成長しているので、僕も成長している姿を見せたい。しっかり切磋琢磨しながらやれていると思います」