アイザイア・ハーテンシュタイン

サンダーは過密日程とセンター不在を乗り越え好発進

サンダーはトレイルブレイザーズ戦に109-99で勝利した。西カンファレンス屈指の強豪に成長したサンダーが、再建期に入って道を見失っているブレイザーズに勝つのは当たり前のように思えるかもしれないが、11日間で7試合をこなす過密日程の最後、バック・トゥ・バック(2日連続の試合)の2日目で、選手たちの動きに本来のキレはなかった。

第1クォーター途中に10点のビハインドを背負い、追い付くも突き放せずに終盤まで接戦が続いた。それでもラスト5分で突き放して勝利をつかんでいる。指揮官マーク・ダグノートは言う。「常に美しいプレー、完璧なバスケができるわけじゃない。そういう時こそ気持ちが必要で、今日はそれを示すことができた。

そんなチームの助けになったのが、アイザイア・ハーテンシュタインだ。ニックスから加入したが開幕前に左手を骨折。それでもチームは開幕7連勝と勢いがあったが、さらにチェット・ホルムグレンまで戦線離脱してセンター不在となっては、さすがに苦戦は免れない。ジェイレン・ウィリアムズを急造センターとするスモールラインナップでサンダーは善戦を続けてきた。

だが、本当のセンターが戻って来ればより楽に戦えるのは間違いない。開幕1週間前にケガをしたハーテンシュタインは、当初の予定より早く復帰して、サンダーでのデビューを果たした。ベンチから29分の出場で13得点14リバウンド。試合勘はなく、チームとの連携も出来上がっていないはずだが、その力強く献身的なプレーはチームに必要とされたものだった。

ハーテンシュタインは言う。「こんなに長くプレーできなかったのは初めてのことで、錆び付いていた感じもあったけど、やっているうちにボールが手につくようになった。ケガはしていたけど、僕はどこかへ消えていたわけじゃなく、ずっとチームに帯同していた。とにかくコートに立って、みんなと一緒にプレーできたのが良かった。ケミストリーや細かい部分でできることはまだまだ多い。でも、ひとまず復帰戦としては良かったよ」

オフェンスはブランクが影響したと言うが、ディフェンスは関係ないとハーテンシュタインは主張する。「4週間はボールを扱っていないから、感覚が鈍るよね。何試合かこなせばシュートタッチも戻って来ると思う。でも守備はほとんどが意識と努力の問題だから、ケガは言い訳にできない」

ホームゲームで勝利した時の恒例である、ヒーローをチームメートが囲んで執り行うコートインタビューも経験した。サンダーのファンの前で自分らしいプレーを見せることもできた。「自分がどれだけ歓迎されているかを感じられて素晴らしかった。これから毎試合、自分の力を思う存分発揮するつもりだ」とハーテンシュタインは言う。

センター不在の過密日程という難局があっても、サンダーはここまで12勝4敗と好調なスタートを切った。それでもこのチームが本調子を見せるのは、これから先のことだ。