ファイ・サンバ

文=丸山素行 写真=野口岳彦、バスケット・カウント編集部

滋賀レイクスターズの主力選手として、2年連続でのB1残留に貢献したファイ・サンバ。オン・ザ・コートルールの変更に伴って帰化選手の価値が大幅に高まった今オフ、彼はサンロッカーズ渋谷への移籍を決意した。チームの目標も、西地区から東地区へと舞台を移すことも、大きな挑戦となる。31歳にして『勝負の時』を迎えたサンバに、新シーズンへの意気込みを聞いた。

強敵を求めてSR渋谷への移籍を決断

──今夏はオン・ザ・コートルールの改正により帰化選手の価値が上がり、引く手あまただったのではないかと思います。その中でサンロッカーズ渋谷へ移籍した理由はなんでしょうか?

Bリーグになって滋賀にいましたが、西地区なので東地区のチームと限られた回数しか試合ができませんでした。決断は難しかったですけど、滋賀で2シーズンやって、東地区の強いチームともっとやってみたいという思いはありました。

SR渋谷は昔から強豪のイメージがあります。SR渋谷はプレッシャーがすごく強い、ディフェンスの激しいチームで、得点力もあるチームという印象でした。そこに僕が入ったら、もっと強くなると思ったんです。

みんなが言うように、強豪が東地区に集まっているじゃないですか。僕が川崎にいた時は、あまり試合に出れずに見ているばかりでした。その頃から自分も出場して対戦したいと思っていました。SR渋谷に来たことでアルバルク東京とか千葉ジェッツとか栃木ブレックスとたくさん試合ができ、もっとレベルアップできるんじゃないかと。その中で自分を試したいという思いもありました。

1部のリーグでシーズンを通して出場することが目標だったんですけど、これまではなかなか叶いませんでした。滋賀にいた2年間はヘッドコーチが代わったので、両方とも別なチームのようでした。でもそれぞれの組織の中で自分がどれだけ評価されるかを見つけていって、自分の成長につながりましたし、自信がつきました。

ファイ・サンバ

「個人の数字ではなくチームが勝てればいいです」

──あらためてご自身のプレースタイルを教えてください。

ペイントエリアのシュートとか、ポストプレーなどのオフェンスです。チャンスがあれば積極的に3ポイントも打ちます。特にローポストからの攻撃が得意なので、そこを見てほしいです。

──サンバ選手のような帰化選手がいることで、ビッグラインナップなど、オフェンスのバリエーションが広がります。どのようにチームに貢献していきたいですか?

そうですね。ビッグラインナップも可能ですし、外からのドライブもできるので、皆がどういうプレーをするのか把握しながら、調整していきたいです。そして、自分がこうしたいというよりも、何よりもチームが勝つことを優先に考えています。自分が20点取っても負ければ意味がないじゃないですか。個人の数字ではなくチームが勝てばいいです。オフェンスで得点を取ることを求められる時もあると思うし、ディフェンスを頑張らないといけない時もあります。試合に出ていなくても声をかけたりして、チームがうまくまとまって、チームで勝てれば良いですね。

──チームの選択肢を増やせるサンバ選手が活躍することで、チームの可能性は大きく広がると思います。ファンからの期待も高いと思いますが、そうしたプレッシャーは感じますか?

いえ、楽しめるタイプなので、逆にもっと欲しいですね。プレッシャーになったら話にならないのでどんどんくださいという感じです(笑)。サポートをし合いながら、自分も一生懸命頑張るので応援お願いします。

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