ピック&ロールをフィジカルなディフェンスで潰され、チャンスを作れず
フィリピンで行われる『アジアカップ2021予選』に乗り込んだ日本代表は今日、アジア最強国の中国と対戦した。
日本代表の先発は富樫勇樹、安藤周人、張本天傑、ギャビン・エドワーズ、竹内公輔。立ち上がりから両チームともディフェンスがオフェンスを上回り、崩しきらないまま打たされるシュートが決まらない。それでも中国はフリースローで先制し、開始3分で初のフィールドゴールを決めると、3ポイントシュートも続いて決まって7-0と先行する。安藤の3ポイントシュートで初得点を挙げるものの、高い位置でのプレッシャーをドライブでかいくぐられて失点が続いた。
中国は攻めから守りへの切り替えが早く、ターンオーバーを喫しても速攻の形を作らせない。それでもエドワーズが強引にゴール下をこじ開け、途中出場した金丸晃輔が速攻からの3ポイントシュートを決め、素早いパスワークから最後は張本がドライブで仕掛けてのバスケット・カウントで12-20として第1クォーターを終えた。
第2クォーターに入っても苦戦は続く。ピック&ロールをフィジカルなディフェンスで潰され、富樫も安藤誓哉も思うようにチャンスを作れない。エドワーズに預けるもサポートが足りず、孤立して疲弊していくこととなった。第1クォーターにセカンドチャンスポイントで0-10と圧倒されたリバウンドを互角に持っていき、竹内譲次がゴール下への合わせのパスをシャットアウトすることでイージーな失点はなくなったが、得点が伸びないことで差を広げられた。
前半を終えて日本のフィールドゴール成功率は22.6%と絶不調。ピック&ロールを潰される状況でキーマンになるべき富樫や比江島が消極的になってしまい、激しいプレッシャーから逃げるばかりで中国ディフェンスの脅威になれない。さらに後半開始3分で孤軍奮闘するエドワーズが個人3つ目、4つ目と立て続けにファウルを犯してしまい、ベンチに下がることになった。
比江島慎と金丸晃輔がチームハイの12得点を挙げるも中国に及ばず
その状況でハッスルしたのは、先発に抜擢された張本と、後半になって初めて投入されたベンドラメ礼生だった。フリオ・ラマス体制下で代表の常連ながらもチャンスをなかなか与えられなかった2人が、チームオフェンスが機能しない中で個人で積極性を出し、中国のディフェンスをこじ開けた。
それでも何度か良いプレーは続いたものの、大黒柱のエドワーズがファウルトラブルという状況で大きな流れを作るには至らない。35-50で迎えた第4クォーター、コートに戻ったエドワーズの献身的なプレーとベンドラメの積極性が噛み合い、ここでプレータイムを与えられた渡邉飛勇もハッスルしてインテンシティで中国を上回り始める。ようやくチャンスができるようになると金丸が2本連続で3ポイントシュートを成功させる。
残り4分、比江島の3ポイントシュートが決まって7点差まで追い上げた時には完全に日本のペースだったのだが、ピック&ロールからダイブした相手のセンターを止めに行ったエドワーズが痛恨の個人5つ目をコールされてファウルアウトに。こうなると日本に反撃する力は残っていなかった。その後に再び突き放され、57-66で敗れている。
第1クォーターにリバウンドで圧倒され、前半を通してガード陣が攻撃をクリエイトできず、エドワーズに負担を掛けすぎたのが最後まで響いた。日本は富樫と誓哉が無得点、ベンドラメが後半にオフェンスを活性化させたものの、スイッチが入るのが遅すぎた。金丸と比江島がそれぞれ12得点、張本が11得点と奮闘したが、フィールドゴール成功率は33.9%と最後まで上がらず。中国の3ポイントシュートは28本中5本と全く当たらなかったが、それでも常にビハインドを背負う完敗だった。
国際舞台でのインテンシティの高さに圧倒されて積極性を削がれてしまう内容は、2年前のワールドカップから進歩がないと言わざるを得ない。残る2試合での奮起が求められる。