「昨日よりチームとしての一体感がなかった」
「まさに昨日と反対のゲームになってしまった」。そう千葉ジェッツの富樫勇樹が語ったように、千葉は宇都宮ブレックスとのファイナル第2戦に59-83という大差で敗れた。
第1戦では16-10とオフェンスリバウンドで上回り、セカンドチャンスポイントで24-6と圧倒し20点差の大勝を収めた。だが、この試合ではオフェンスリバウンドで5-15と大きく下回り、前半で20点差をつけらると最後まで反撃のきっかけをつかめなかった。
大野篤史ヘッドコーチが「ポゼッションで勝たなければブレックスさんに勝ち目はない」と語れば、富樫も「ポゼッションで負けてしまったら宇都宮に勝つのは本当に難しくなる」と同じ意見を示した。また、ディフェンスリバウンドを一度で取り切り、イージーなターンオーバーを極力少なくしないことには勝機は見い出せない。相手の強烈なプレッシャーに後手を踏み、19個ものターンオーバーを犯したこともワンサイドゲームになった要因だ。
もちろん、追いつめられた相手が死に物狂いでやってくることは分かっていた。大野ヘッドコーチも「上回れなかったのは事実ですが、うちの選手にエナジーがなかったということではない」と、選手を擁護する。しかし、エネルギーの使い方を間違ったことが、この結果に繋がったと大野ヘッドコーチは冷静に分析した。
「選手たちは全員頑張っていますが、その頑張り方が違ったかなと。自分がなんとかしなきゃという思いが強すぎてしまっていた。『俺がやらなきゃ』ではくて、『俺がチームのためにどういうことで貢献できるのか』ということを考えてプレーすることが重要だと思います」
間違った責任感が一人相撲となり、それが負の連鎖へと繋がった。実際、富樫も「確かに今日のオフェンスはチームとしての一体感がなかったのかなと、やっていて思いました」と明かした。
「一つのボールをひたむきに追いかけ、仲間を信じる」
前日の完勝から、思わぬ大差での敗戦を喫した千葉。これで決着は第3戦に持ち越された。勝利した初戦は8-0と最高のスタートを切ったが、第2戦では5-18と出だしで大きくつまずいた。だからこそ富樫は「今日のような入り方とプレーでは、第3戦は必ず落としてしまう」と出だしの重要性を説いた。
そして、大野ヘッドコーチは技術云々ではなく気持ちが大事になると、第3戦に向けて語った。「バウンズバッグするために、もう一回マインドセットし直さなきゃいけないと思っている。そこが一番見えるのがリバウンドやルーズボールのところなので、一つのボールをひたむきに追いかけ、仲間を信じる。そういうところを追い求めて、第3戦もやっていきたい」
第3戦はどちらのチームにとっても、今シーズン最後の試合となる。これまでに積み上げてきたモノをより体現できたほうが、優勝に近づくはずだ。富樫は言う。「最後に勝ったほうが優勝で、このシーズン、この試合のために今まで準備してきました。何のためにこの長いシーズンを送ってきたのかを一人ひとりが考え、自分たちが持っている力をすべて出し切れるようにしたいです」
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