ジョシュ・ダンカン

分厚い攻めで琉球を攻略、89得点を奪う快勝

5月24日、千葉ジェッツはチャンピオンシップのセミファイナル第3戦、琉球ゴールデンキングスを相手に40分間を通してインテンシティ高く、ボールへの強い執着心を見せて後半一気に突き放し、89-71と快勝。宇都宮ブレックスの待つファイナル進出を決めた。

立ち上がりから両チームともボールマンに激しいプレッシャーをかけ、さらに互いにディフェンスリバウンドをしっかり確保することでロースコアの展開に。そんな中でも千葉は、ジョシュ・ダンカンが第1クォーターだけで10得点、相手をファウルトラブルに持ち込み、フリースローで差をつけることで21-18と先行する。

第2クォーター、千葉はシャノン・ショーター、富樫勇樹の2人で15得点と、今度はガード陣で得点を重ねていく。中盤にはショーターの連続3ポイントシュート、富樫勇樹のジャンパーなどでリードを8点にまで広げる。しかし、琉球はキム・ティリの2本を含め、このクォーターで9本中5本成功と3ポイントシュートに当たりが出て、さらに並里成からジャック・クーリーへのホットラインが機能し、千葉の44-43と互角で試合を折り返した。

そして後半、千葉は分厚い攻めで徐々に流れを引き寄せていく。持ち味であるオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスで原修太が3ポイントシュートを沈め、琉球がたまらずタイムアウトを取る。琉球はボールムーブの少ない1対1による単発のオフェンスが増えて崩れていくのに対し、千葉は第4クォーターに入ってもゴール下への粘り強いアタックを継続。セカンドチャンスからセバスチャン・サイズのジャンパー、さらにターンオーバー奪取から西村文男が決めてリードを14点に広げた。

なんとか食らい付きたい琉球だが、後半は3ポイントシュート15本すべて失敗と、長距離砲が沈黙して手詰まりに。これに対して勢いに乗る千葉は、コー・フリッピンが怒涛の3連続得点を挙げ、残り6分の段階で21点にまでリードを広げて勝負を決めた。

千葉の大野篤史ヘッドコーチは勝因をこう語る。「昨日、負けていたポゼッションのところで挽回し、琉球さんより多くのフリースローをもらうところを選手はしっかり遂行してくれました」

「リバウンドをしっかりコントールできた」と指揮官は続け、具体例としてオフェンスリバウンドの割合について言及した。「30%以上オフェンスリバウンドを取られると勝つことができないと伝えていました。昨日は38%、今日は25%以下に琉球さんのオフェンスリバウンドを抑えることができました。ビッグマンだけでなく、アウトサイド陣のボールへの執着が結果に繋がったと思います」

ジャック・クーリー

琉球はファイナル進出ならず「戦い抜く力がまだなかった」

そして大野ヘッドコーチは、敗れた第2戦に比べて選手たちが勝利への強い気持ちを出してプレーしたことを評価した。「昨日の試合、スタートで14-0、エンドゲームで14-3と差をつけられた理由は、琉球さんの方が勝ちたい意欲で勝っていたから。アウェーの僕たちがそこで勝らない限りファイナルに行けないところを選手たちが体現してくれました」

「古い言い方かもしれないですが、エナジーがなければ絶対に勝てない。エナジーがあって初めてゲームプランがあります。相手より勝ちたい意欲で勝らない限り、試合に勝つことはできない。勝ちたい意欲が見えた良いゲームだったと思います。

一方、敗れた琉球の藤田弘輝ヘッドコーチは「前半はいいバスケットをできていましたが、後半はちょっとガス欠な印象でした」と語る。ただ、「最後まで気迫のこもったディフェンスを見せ、24日間で11試合の日程を戦い抜いてくれました。選手たちを誇らしく思い、たくさんのことを成し遂げられました」と、チームの哲学であるハードワークを貫いた選手たちを労った。

そしてチームの課題を次のように語る。「チャンピオンシップの大舞台で40分間、集中力、インテンシティを切らさずに戦い抜く力が、まだ僕たちにはなかった。そこをしっかりチームとしてもう一段階ステップアップしたいですし、できると思っています」

激闘を制した千葉は、これで3シーズン連続のファイナル進出となる。過去2回は一発勝負だったが、今回は2戦先勝方式へと変更になる。それでも一戦必勝で臨む気持ちに変わりはない。大野ヘッドコーチは「1つ負けても2つ勝てばいいとは思っていないです。2つ勝ち切る気持ちでやっていきたい」と言う。

あらためて勝ちたい気持ちの強さ、エナジーを出して戦うことの大切さを実感し、よりたくましくなった千葉は『3度目の正直』でリーグ王者になるために、横浜アリーナへの帰還を果たす。