長岡萌映子

「若手への声掛けや注意すること、声を出すことはすごく求められている」

バスケットボール女子日本代表チームは、今夏に開催予定の東京オリンピックに向けた第4次強化合宿を5月14日から実施している。

代表チームのコアメンバーである長岡萌映子は 「トム(ホーバスヘッドコーチ)になってから毎年このチームにいますが、毎年バスケットが変わっていて、ベストなものを見つけていくスタイルです。今年も違うバスケットを試している中で、自分としてはまだまだできるんじゃないかという部分はありますが、それなりに理解してできていると思います」と合宿を振り返った。

長岡は183cmのサイズながら3ポイントシュートを打てて、インサイドでも身体を張ったプレーができるオールラウンダーだ。渡嘉敷来夢がケガをしたことで、以前よりもサイズが小さくなった代表チームだが、「プレー面で求められていることは変わらない」と長岡は言う。「3ポイントシュートやリバウンド、ディフェンスなどいろいろなことを求められているので、そこの軸はブレずにいつも通りやっています」

長年、代表チームを牽引してきた吉田亜沙美や大﨑佑圭が引退し、エースの渡嘉敷も今はリハビリ中だ。前回のリオ五輪の時は22歳で最年少組だった長岡も、今では代表での経歴は上から数えた方が早く、代表チーム内での立場も変わってきている。

「若手への声掛けや注意すること、声を出すことはすごく求められています」と、長岡は意識していることを語った。「今は何回も同じ注意をされることがすごく多いです。私はトムのバスケットを長年やってきたので、トムが『ここでこれを言いそうだな』とか、見ていて分かった時は声掛けをしています。細かいところは自分も見るようにしているし、そうすることで自分自身への注意にもなります。そういった細かい部分の注意や同じミスに対する声掛けをするようにしています」

人に注意をするのは簡単ではなく、人によっては気が重くなるようなことでもある。それでも長岡は「バスケットもそうですが、いろいろなことにチャレンジできています」と前向きにとらえ、チームの士気を上げるとともに自身の成長へと繋げようと心掛けている。

このようにチームを引っ張る長岡だが、この合宿はチームケミストリーの構築を図るだけでなく、東京オリンピックのメンバーを決めるためのトライアウトでもある。

もちろん、長岡にとっても東京オリンピックのメンバー入りは確約されたものではないが、「メンバーに残るか残らないかの自信ではなく、自分のプレーに対しての自信は持つようにしています」と言う。「トライアウトなので何が起こるか分からないし、その時の調子もありますが、常に気を張って、自分ができることを最大限にやる努力をしています」