千葉ジェッツ

最大16点のリードから2点差まで詰められるも、リバウンドや守備で耐える

チャンピオンシップ、クォーターファイナルの千葉ジェッツvsシーホース三河の第2戦は、千葉が80-78で勝利して、2連勝でセミファイナルへと駒を進めた。

この試合で三河はエースの金丸晃輔にボールを持たせようとオフボールでのスクリーンを多用した。そのため、第1戦よりは金丸にボールが渡る機会が多かったが、それでも千葉はヘルプやスイッチをすることで徹底的に金丸をマークし前半を2得点に抑えた。しかし、長野誠史のドライブやダバンテ・ガードナーのポストプレー、高橋耕陽のペイントアタックやシェーファー・アヴィ幸樹のインサイドでの合わせを止めることができず、リードを奪ってはいたものの突き放すことができない時間が続いた。

その中でペイントエリアから得点を重ねる三河に対して、千葉はピックやキックアウトを繰り返すことでズレを作り、前半は三河が7本中0本だったのに対し、千葉は18本中7本の3ポイントシュートを成功させたことで、46-33とリードを保って試合を折り返した。

それでも後半になると、千葉は三河のマッチアップゾーンに苦戦する。インサイドへボールが入らず、アウトサイドでもプレッシャーを受けてしまいタフショットが増えた。そして、三河にディフェンスリバウンドからのトランジションバスケを許したことで相手にリズムを与えてしまった。さらに、金丸にドライブやインサイドでの合わせから簡単にシュートを打たせてしまい、第3クォーターだけで17得点を許したことで一時は16点あったリードを2点差まで詰められた。

千葉が4点リードして迎えた最終クォーターの立ち上がり、ギャビン・エドワーズのセカンドチャンスポイントや西村文男の3ポイントシュートなど7-0のランで再び三河を突き放した。それでも、この日の三河は最後まであきらめず、金丸が厳しいマークにあう中で熊谷航がドライブや3ポイントシュートで点差を縮めていく。残り33秒にはディフェンスリバウンドを取った熊谷がそのままボールプッシュし、前を走るシェーファーのシュートをお膳立てし2点差に。最後まで勝利の執念を見せたが、ラストポゼッションでガードナーが放ったシュートがリングに嫌われ、勝利まであと一歩届かなかった。

この試合で千葉は、後半は三河の猛攻を浴び、さらにゾーンオフェンスが思うように展開できず苦しんだが、ルーズボールには全員が積極的に飛び込むことでポゼッションを奪い、リバウンドでもハッスルすることでセカンドチャンスポイントを29-10と圧倒した。三河に2点差まで詰められる展開となりつつも、リバウンドや固いディフェンスを崩さないことで一度も逆転を許すことなく勝利を収めた。

千葉ジェッツ

「ポジティブな言葉をお互いにかけれるようにしていきたい」

勝利した千葉の大野篤史ヘッドコーチは得点力のある三河に対し、ポイントを3つに絞って試合に臨んだという。「一つは金丸選手に3ポイントシュートを打たさない。ダバンテ選手に関しては、パスがとても上手い選手なのでトラップに行かない。2点は良いけど、3ポイントシュートは打たせないこと。もう一つはカイル・コリンズワース選手のオフェンスリバウンドを徹底的に抑える。その3つを選手に伝えて、エクスキューションできたと思います」

クォーターファイナルを連勝で終え、セミファイナルへと駒を進めた千葉は、あと4勝すれば悲願のBリーグ制覇を達成できる。「2勝して次に進めたことがすべてだと思います」と振り返った富樫はこのように続けた。

「出ている5人もベンチメンバーも含め、お互いを信頼し合って、通じ合うことがすべてだと思います。やっぱり4勝するのも大変ですし、今日もそうですが40分間の中では良い時も悪い時もあります。そういう時も常に声を掛け合っていくことがすべてだと思います」

「良い時と悪い時は声の掛け方も変わってきます。今日も僕は残り2分ぐらいの大事な場面でコーナーのシュートを外してしまいましたが、ジョシュ選手がやってきて『打ち続けろ。次は入るから』という声を掛けてくれました。そういう一言で次のシュートの打ちやすさも変わってくるので、ポジティブな言葉をお互いにかけれるようにしていきたいです」