群馬クレインサンダーズ

茨城ロボッツもB1昇格を決め、来週にB2優勝を懸けて激突

B2プレーオフ準決勝の群馬クレインサンダーズvs越谷アルファーズ。レギュラーシーズンで52勝5敗とぶっちぎりで勝率1位、しかもホームで無敗の群馬に、35勝22敗の越谷が挑んだ。前日の第1戦ではアイザック・バッツのオフェンスリバウンドに長谷川智也の3ポイントシュートとB1経験者の個性が生きた越谷が先行する展開。群馬は試合途中にトレイ・ジョーンズが接触で大出血、プレータイム22分と思うように起用できずに大苦戦しながらも、残り4分半で10点ビハインドから得意のトランジションバスケットで逆転勝ちを収めている。

今日の第2戦、群馬は長谷川の3ポイントシュートを徹底的に抑える。堅守からのトランジションに持ち込み、マイケル・パーカーにジョーンズが速攻で得点を重ねていく。第1クォーターを終えて19-10、ファストブレイクでの8得点で差を付けた群馬が先手を取った。

越谷は相手のファストブレイクをケアするものの、クレイグ・ブラッキンズに預けた後は周囲がボールウォッチャーになってしまうなどボールムーブメントが停滞する。バッツへ上手くパスを入れてゴール下で得点しても、すぐにリスタートした群馬に速攻を許すなどチグハグで、頼みの3ポイントシュートは13本中1本しか決まらない。群馬は強力な『オン3』を操りながら自らの攻め気も失わない笠井康平が10得点目となる3ポイントシュートをブザーとともに沈め、36-29と優位を保ったまま前半を終えた。

後半最初のプレーは群馬のマイケル・パーカー、越谷の畠山俊樹に長谷川、そして群馬のジョーンズと3ポイントシュートの応酬となるが、その後には速攻でパーカー、オフェンスリバウンドを拾ったジョーンズとイージーなチャンスを生み出した群馬がリードを2桁へと広げる。越谷は前半と違って3ポイントシュートが当たり始めたのだが、10点前後の点差はなかなか縮められなかった。

笠井康平

笠井康平「アグレッシブにエナジーを出した結果」

試合終盤も群馬の優位は動かない。負けるまいと必死の越谷のプレー強度に渡り合い、トランジションで差を作り出していく。第4クォーター残り6分には、越谷のゾーンディフェンスに対してジャスティン・キーナンの3ポイントシュート成功で70-50と20点差に。ジョーンズやパーカーといった個の力がチームとして噛み合い、試合運びのしたたかさも光った群馬が83-71で勝利した。

ジョーンズが24得点、キーナンが18得点、パーカーが11得点を挙げただけでなく、笠井に野﨑零也と日本人選手も10得点を記録。このバランスアタックに加え、ファストブレイクで25-11と走るバスケットを展開。さらには越谷の武器であるはずのセカンドチャンスポイントで14-7と上回る完勝だった。

群馬はこれでホームで33戦全勝という圧倒的な強さを見せてプレーオフファイナルに駒を進めるとともに、この時点でB1昇格を決めている。

平岡富士貴ヘッドコーチは「5年前に就任して、三度目の正直で行くことができました」と、これまでの歩みを噛みしめるように喜びを語る。また、移籍1年目で先発ポイントガードとなり、チームを昇格に導いた笠井はこう語った。「チーム全員でアグレッシブにエナジーを出した結果がしっかりついてきた。みんながファイトして外国籍選手に負けないよう戦った結果です。B2優勝してB1に行くのは自分たちの自信にもなります。来週もう一回、チーム一丸になって戦おうと思います」

準決勝のもう1試合は茨城ロボッツvs仙台89ERS。初戦を73-56と完勝した茨城は、この日も優位に試合を進める。終盤に仙台の猛追を浴び、最終クォーター残り1分9秒に同点に追い付かれたのだが、直後にマーク・トラソリーニが勝ち越しの得点を挙げると、最後はチーム一丸で慌てることなくリードを守り切った。こちらも、うれしいB1初昇格。来週にはB2優勝を懸けてファイナルを戦う。