ボバン・マリヤノビッチ

「出会いに感謝し、プレーを楽しみ、優勝を勝ち取る」

ウィリアム・ジョーンズカップは1977年から続く歴史ある国際招待大会。第45回大会となる今年の大会は8月13日から23日まで、台湾の新北市で開催される。

日本や韓国は20代前半の若手有望株を中心とする代表チームが参加するが、この大会は大学選抜やクラブチームも出場できるのが特徴で、過去2大会を連覇しているフィリピンのストロング・グループにボバン・マリヤノビッチが参加することが話題となっている。

ストロング・グループはジョーンズカップを始めとする国際大会にフィリピン代表格として派遣されるクラブチームで、フィリピンリーグには参加しない『招待大会専門のチーム』として独自の立ち位置を築いている。フィリピンリーグに参加するプロチームであれば当たり前に存在する外国人枠やサラリーキャップ、複数年契約の縛りとは関係なく、大会がある時だけピンポイントでロスターを組み、フィリピンバスケットボール協会との協力関係の下、フィリピンの有力な選手に、強力な外国籍選手を『助っ人』として組み合わせ、短期決戦で結果を出す。そうすることでフィリピン人の若手有望株に良い経験を積ませ、リーグや代表へと還元していく仕組みだ。

チームの中心は、昨年のジョーンズカップ優勝の立役者となったタワン・エイジーで、フランスのJLブールでユーロカップ優勝を勝ち取ってストロング・グループに戻って来る。2022年にカンザス大でNCAAトーナメント優勝に貢献したレミー・マーティンとともに、フィリピン系アメリカ人である彼らがチームの牽引役となる。

韓国リーグにアジア枠で挑戦するデイブ・イルデフォンソ、フィリピンの大学バスケ界で注目を集める22歳の司令塔ティティン・マナリリ、セネガル出身の留学生としてフィリピン大学リーグMVPとなった211cmのマリック・ディウフ、京都ハンナリーズや川崎ブレイブサンダースでプレーしたマシュー・ライトと興味深いタレントが集まる。

去年のチームにはサンダーでプレーした守備の名手、アンドレ・ロバーソンが参加していた。それに代わる元NBAプレーヤーとして、今回はマリヤノビッチが招集されている。

マリヤノビッチはセルビア出身の37歳。224cmの長身に加えて屈強な肉体の持ち主で、セルビアリーグで3年連続MVPに輝いた後、スパーズに加入した。NBAのバスケが『ペース&スペース』に移行する時期と重なり、マリヤノビッチはジャーニーマンとして多くのクラブを渡り歩くこととなったが、2024年まで9シーズンに渡りNBAでプレーした。

2024年夏を無所属で過ごしながら、彼は「計画は立てず、何が起ころうとも人生のあらゆる出来事を楽しむつもりだ。NBAのチームからオファーが来るのを待っているけど、そうじゃなければ別のことをやるだけだ」と悠然と構えていた。トルコと中国を経て、昨シーズンはスロベニアのKKイリリヤでプレーし、この夏はストロング・グループに参加する。

フィリピンの『ABS』の取材に応じたマリヤノビッチは「ライバルと競い合い、試合でベストを尽くし、タイトルを獲得する。バスケで簡単なことなど何一つないけど、それでも僕たちはチームとして一緒に乗り越えていく」と語った。

「バスケはどこでプレーしようとバスケだ。今のところ、雨ばかりの気候を除いてはフィリピンのすべてを楽しんでいるよ。ファンからはたくさんの愛情と敬意をもらっている。ファンとの出会いに感謝し、プレーを楽しみ、そしてジョーンズカップの優勝を勝ち取るつもりだ」