八村塁あこがれたカーメロ・アンソニーとの秘話

8月8日、八村塁が18歳以下の若手選手を直接指導するプロジェクト『BLACK SAMURAI SUMMIT 2026』のDAY3がIGアリーナで行われた。

イベントのメインは『Team Black』と『Team Red』に分けられた、八村が選び抜いたエリート選手たちによる10分×4クォーターの真剣勝負。大観衆の前でどれだけ自分を表現できるかが試される中、選手たちはそれぞれが持ち味を発揮。白谷柱誠ジャックや本田蕗以がフィジカルなドライブで次々とスコアすれば、恒岡ケイマンはインサイドの力強いプレーで着実に得点を重ねる。佐藤凪が抜群のゲームメークで味方のシュートを演出すれば、弟の佐藤久遠は鋭いドライブから強引にレイアップをねじ込んだ。力は拮抗したが、『Team Red』の白谷が前半に足を痛めてその後のプレーを控えた影響もあり、『Team Black』が95-87で勝利を収めた。

試合後には田臥勇太も選考に加わり、『Team Black』の本田、佐藤(久遠)今野瑛心、『Team Red』の恒岡、本田がベスト5に選出された。そして、MVPにはチームハイの19得点を挙げた本田が選ばれ、賞品のロサンゼルス行きの招待チケットを獲得するとともに八村から「ロサンゼルスに来て、練習や施設を含めてNBAの環境を見てほしい」と声をかけられた。

そして、イベントの後半には八村と田臥によるスペシャルトークショーが行われ、それぞれの原点やNBA挑戦にまつわるエピソードを語り合った。あこがれの存在についての話題では、八村はバスケを始めた頃に最も好きだった選手としてカーメロ・アンソニーの名前を挙げた。そして、後にNBAの舞台で対戦した際、八村がカーメロが得意としていたミッドレンジジャンパーを決めると、カーメロが振り返り「やったな」と言わんばかりの表情を見せたという。「自分のリスペクトが伝わっていた」と話し、笑顔を見せた。

田臥は八村が出ていたNBAの試合のほとんどを見ていたことを明かして八村へのリスペクトを示すと、八村と同じように自身の高校時代を回想。「僕の時代はシュートを入れてポーズをすると礼儀に反するというか、『こらっ』と怒られていた時代だったんで」と笑い、「今日の子たちはを自分を出す力がすごいと思いました。今は自分をアピールすることが当たり前の時代。失敗を恐れず挑戦してほしい」と若手にエールを送った。

トークショーの終盤には質疑応答の時間が設けられ、過去の代表活動において厳しい批判や差別的な言葉を受けながらも、再び日本を背負う覚悟を何故持てるのかという問いが八村に投げられた。そして、真摯にその質問に向き合った八村は「自分自身が日本人であることに強いプライドを持っている。だから誰が何を言おうが自分は変わらないし、どこへ行っても胸を張って『日本人』と言えます」と、日本人であることへのプライドを示した。

「僕がいつも考えているのは、一番根底にあるのは『日本人』だということ。日本で生まれて、日本で育って、日本語が僕にとっての一番の言語。世界中を旅していると分かるんです。僕が『日本人』というだけで、海外の人たちは毎回『ウォ―!』ってリスペクトしてくれる。それくらい『日本』というのは本当に素晴らしい国なんです。それが自分の中で分かっているから、周りからマイナスなことやネガティブなことを言われても、僕にとっては本当に何とも思いません」

自身の熱い思いを吐き出した八村は以下の言葉でイベントを締めくくった。「僕が主催で『BLACK SAMURAI SUMMIT 2026』をやっているんですけど、みなさんに分かってほしいのは、これはあくまでも日本のバスケのためということ。こうやって子どもたちが集まってくれて、今日みたいな指導ができる。フィル・ハンディを連れてきたり、トミー・ロイドという僕の大学時代の恩師が来てくれて、日本のバスケを間近で見て、練習も間近で見て、いろいろフィードバックをもらっています。これからの日本のバスケを強くするために、こういうことをどんどんやっていきたいと思っているので、今後ともよろしくお願いします」