ジェームズ・ハーデン

ケビン・デュラント「あとは僕のシュートタッチだけだ」

カイリー・アービングとケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデンの『ビッグ3』が約3カ月ぶりに揃った。3人が先発に名を連ねて、ブルズのエースであるザック・ラビーンは欠場。それでも試合開始からコービー・ホワイトのスピードに翻弄されて0-12のビハインドを背負ったが、立ち直ってしまえば後はネッツのペースだった。第1クォーターのうちに1点差まで詰め、第2クォーターに逆転すると、後半はリードを保ったまま105-91で勝利した。

ヘッドコーチのスティーブ・ナッシュはこう語る。「3人が揃ったことが本当に良いニュースだ。お互いにプレーする感触をつかめたと思う。率直に言って試合の出だしはガッツがまるで感じられなかったし、しばらく一緒にプレーしていなかったことは言い訳にならない。動きにキレがなかったし、誰も『らしさ』を発揮できていなかった。でも、それを乗り越えたことが大事だ。乗り越えて、勝利を手にした」

ハムストリング痛から復帰して2試合目のハーデンは、『ビッグ3』が揃っていた頃にそうしていたようにパス重視のプレーに徹した。低調な出だしについて「目が覚めていなかったんだ。13時開始の試合だったから」と肩をすくめて釈明するとともに、3人が揃うことに「違和感は全くなかった。攻守両面でリズムをつかめた」と語っている。

「僕らはエリートが集まったチームだ。みんな才能があるし、長くバスケットボールをやってきて経験があり、どうプレーすべきかは分かっている。唯一の問題はどれだけ多くの時間を一緒にプレーできるかだけど、今週の練習とスクリメージで良くなるよ」

カイリーは22得点、デュラントは12得点9リバウンド6アシスト、ハーデンは5得点7アシストを記録。突出したスタッツを残したわけではなく、チームの得点も105と期待されたオフェンスの爆発力は出せないままだった。それでも、これで『ビッグ3』の揃い踏みは6勝2敗となった。

デュラントは特に試合序盤にシュートタッチが不調で、フィールドゴール17本中成功わずか4本に留まった。「正直に言えば、試合のタイミングや重要性が理由だと思う」と、プレーオフを見据える状況で試合に集中するのが難しかったと明かす。「逆にブルズは立ち上がりから好調で、僕らのシュートを抑えてきた。ウチは特にオフェンスで僕のシュートミスが多かったけど、ボールは動いていたしターンオーバーも少なく、リズム自体は悪くなかったと思う。あとは僕のシュートタッチだけだ」

実際、ナッシュが言うように3人揃ったこと自体が良いニュースだし、彼らの出来が低調でもブルース・ブラウンが16得点12リバウンド3アシストと攻守を支えるなど、良い兆候は見えている。ジョー・ハリスが左臀部の筋肉を傷めて2試合連続で出場しているが、ナッシュによればプレーオフでは問題なく出場できるとのこと。

「長いシーズンの中でラインナップが頻繁に変わり、みんな同じペースでプレーできないことで浮き沈みがあったけど、ようやく全員が揃った。こうしてプレーできて本当に良かったよ」とデュラントが言うように、ネッツの準備はプレーオフに何とか間に合ったようだ。