千葉ジェッツ

三河の得点源であるダバンテ・ガードナーと金丸晃輔を徹底マーク

千葉ジェッツvsシーホース三河のチャンピオンシップ、クォーターファイナルの第1戦は、千葉が105-76で勝利した。

千葉は序盤からインテンシティの高いディフェンスでリズムをつかむ。佐藤卓磨が金丸晃輔に、ジョシュ・ダンカンがダバンテ・ガードナーに厳しくマークすることで自由を与えない。この2人に限らず全員でハードなディフェンスを行うことで、三河にタフショットを打たせてはリバウンドからのトランジションバスケで得点を量産し、ビッグマンを含めて全員がボールプッシュできる千葉が堅守速攻を体現した。ハーフコートでも、ダンカンやギャビン・エドワーズがガードナーとのスピードのミスマッチを突いて得点を挙げることで千葉が優位に立った。

46-39と千葉の7点リードで迎えた後半、千葉は攻守ともに三河のミスを突いていく。オフェンスではスイッチでの三河のミスコミュニケーションを突いてイージーシュートを沈め、ディフェンスでも三河のパスミスや一瞬の迷いを突いてボールを奪っては速攻へと転じた。千葉の固いディフェンスを前に個で攻める時間が増えていった三河に対して、千葉はピック&ロールやキックアウト、速いパス回しを行うチームオフェンスでリードを広げていく。

金丸だけでなくベンチから出場した川村卓也もウイング陣が抑え込むことで、三河にリズムを与えない。こうして攻守ともに自分たちのリズムでバスケットを展開した千葉は、西村文男が第4クォーターの残り約7分にデザインされた3ポイントシュートを沈めてリードを20点に広げ、その後もペースを落とすことなく勝利した。

この試合で千葉はジョシュ・ダンカン(28得点12リバウンド5アシスト)とセバスチャン・サイズ(14得点13リバウンド)の2人がダブル・ダブルを記録。チームとしてもリバウンドを48-27と圧倒し、ファストブレイクポイントでも23-4、そしてターンオーバーからの得点でも22-3とするなど、まさに堅守速攻を体現しての快勝となった。

それでも大野篤史ヘッドコーチは「勝ったことに本当にホッとしています」と安堵の表情を見せた。「チャンピオンシップでは内容はともかく勝たなければいけない。勝つことがすべてだと思っているので、勝ちきれたことに対してホッとしています」

そして明日の第2戦に向けてこう続けた。「もちろん修正しなきゃいけない部分はありますが、そういうことを伝えるよりもリラックスをさせないこと。這いつくばってでも、もう一つ勝ちに行くということを選手に伝えたいです」

シーホース三河

鈴木ヘッドコーチ「千葉さんの得意なことを今日は全部やられました」

三河は敗れたものの、第2クォーターにはセカンドユニットの熊谷航や高橋耕陽が積極的なアタックでチームに勢いを与えて点差を詰め、このクォーターだけを見ると23-18と三河が上回った。鈴木貴美一ヘッドコーチも「今日一番良かったのは攻守ともに第2クォーターでした」と語ったものの、結果的には29点差での大敗となり、こう総括した。

「千葉さんの得意なことを今日は全部やられました。インサイドの控えがいないので、そこでのエナジーが最後の方はバテてしまいました。いずれにしても、ファストブレイクやオフェンスリバウンドなど、千葉さんが得意なことをすべてやられたので完敗です」

レギュラーシーズンは平均84.8得点を挙げていた三河だが、この試合では個で攻める時間が増えたこともあり、76点に留まった。鈴木ヘッドコーチは言う。「千葉さんのディフェンスに対してチームでやられていると言うよりも、彼らは1対1で頑張っていました。そこでもっと冷静になればウチのオフェンスがもっと機能すると思うので、明日はアジャストしたいです」

ガードナーが足を痛め、シェーン・ウィティングトンも欠場するなどインサイド陣が手薄な中で、11得点8リバウンド3アシストを挙げて奮闘したシェーファー・アヴィ幸樹は「一度も自分たちのリズムに持ち込むことができない完敗でした」と振り返った。

それでも、シェーファーにとって主力としてチャンピオンシップに出場するのは今回が初めてだ。その中で、いつも通りのフォーマンスができたことについて、こう語った。「自分の中ではチャンピオンシップということで、いつも以上に気合いが入っていましたし、コンタクトもレギュラーシーズン以上に激しくやることは意識していました。その部分では今日はリバウンドもかなり獲れたので、良い方向に出たと思います」

この試合ではガードナーが12得点、金丸が3ポイントシュート1本成功の11得点に留まったが、鈴木ヘッドコーチが言うように、チームとしてのオフェンスを明日はどれだけ見せることができるかが三河にとって勝利への鍵となる。

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