千葉ジェッツ

『オン3』を起用して高さでのアドバンテージを生かしてゲームを支配

千葉ジェッツは今日、秋田ノーザンハピネッツ戦に98-70で勝利し、東地区2位が確定した。これによりチャンピオンシップのクォーターファイナルのホーム開催権をつかんだ。

秋田の前田顕蔵ヘッドコーチが「試合を通して、千葉さんに外国籍選手のサイズの部分でペイントを支配されてしまった」と振り返ったように、千葉は多くの時間で帰化選手と外国籍選手2名による『オン3』を起用し、高さのアドバンテージを最大限に生かした。

立ち上がりの4分間こそ拮抗したが、千葉はインテンシティの高いディフェンスからリズムをつかんでいく。富樫勇樹が高い位置から大浦颯太にプレッシャーを与え、ビッグマンや佐藤卓磨がハリーバックすることで、秋田のトランジションバスケを封じることに成功。ハーフコートでも、千葉は秋田のピック&ロールやドライブに対して佐藤や原修太といった3人目の選手がコースを塞ぎペイント内に入れさせない。さらに秋田のキックアウトに対してもすぐに寄ることで、第1クォーターだけで秋田から7本のターンオーバーを誘発してポゼッションを奪っていった。

そして、秋田が外国籍選手1人の『オン1』になると、ギャビン・エドワーズと外国籍選手2名による『オン3』を起用して、高さで勝負する。エドワーズがハビエル・カーターをアウトサイドに引き付けてインサイドでのスペースを作り出し、 シャノン・ ショーターが保岡龍斗との高さのミスマッチを突いて得点を重ねる。ショーターやビッグマンがペイントエリアを支配し、富樫がピックを使ってミドルシュートを沈めるなど、自分たちのリズムで攻めた千葉は、42-28と大量リードを奪って前半を終えた。

千葉の大野篤史ヘッドコーチが「秋田さんのドライブキックアウトの3ポイントシュートを警戒していました。遠いところからヘルプを運ぶとローテーションが効かないので、近いところからヘルプするように伝えました」と試合後に明かしたように、秋田はドライブや速いパス回しを行ってもズレを作ることができず、前半は外一辺倒に追いやられた上にアウトサイドからの得点も伸びなかった。

それでも、後半になると人とボールが連動して動くようになり、大浦が連続3ポイントシュートやドライブで得点を挙げる。その後も無理にペイント内から攻めるのではなく、確実に外からのシュートを放つことで得点を重ねていった。しかし、ハイピックやローピックなど、様々な場所からいろいろな選手がピック&ロールを使う千葉のオフェンスを止めることができずに最終スコア70-98で敗れた。

千葉はこの試合でリバウンドを50-24とし、セカンドチャンスポイントも19-5と圧倒。ペイントエリアからの得点を44-26、そしてフリースローだけでも35得点を挙げるなど、自分たちの強みを生かすことでゲームを支配した。

秋田ノーザンハピネッツ

前田ヘッドコーチ「この59試合を戦い抜いてくれた選手に感謝しています」

チャンピオンシップでのホーム開催権をつかんだ千葉の大野ヘッドコーチは、「ホームでチャンピオンシップをやりたいという思いがあり、このタフスケジュールの中で乗り切れたことは自信に思っていいです」と言うと、こう意気込みを語った。

「でも、ここで切れてしまわないように、今までやってきたこと以上のものを出せる力をまだまだ持っていると思うので、それをチャンピオンシップで出せるようにやっていきたいです」

一方、秋田は今日の試合でレギュラーシーズンの全日程を終えた。前田ヘッドコーチは「どうやってこのチームを強くしていくか、ということをずっと考えさせられるシーズンでした」とシーズンを振り返った。

「シーズン後半戦は上位チームと試合をして、なかなか勝てないという課題がありました。それでも、選手たちにはこの59試合を戦い抜いてくれたことを感謝しています。フロントもコロナの状況下で集客などを含めて頑張ってくれましたし、ブースターの皆さんもともに戦ってくれたことに感謝しています。アップダウンがあるシーズンでしたが、『このシーズンがあったから』とチームが言えるように、そしてまた進めるように頑張らないといけないと思いました」