レイカーズ勧誘の言葉をバーンズが明かす
レイカーズのレジェンドであるコービー・ブライアントは、誰よりも勝利にこだわり、勝利のためなら何でもする気概に突き動かされたプレーヤーだった。その情熱が数多くの選手と激しいマッチアップを彩ってきた。その中でもいまだに語り継がれているのが、2009-10シーズンに見られたマット・バーンズとの攻防だ。
バーンズといえば、執拗なディフェンスで時には自分より大柄な相手を抑える役割を任された名ディフェンダーで、2009-10シーズンはマジックの一員としてプレーしていた。コービーとのマッチアップで最も有名なシーンは、2010年3月7日に行なわれた一戦で、インバウンドパスを出す際にバーンズが取った行動だ。
この動画は、Googleで『Matt Barnes Kobe Bryant』と検索すれば最初に出てくるもの。コービーの挑発に苛立ったバーンズが顔面にボールをぶつけようとするも、コービーは瞬きすらしなかった、というシーンだ。
バーンズはラジオ番組『Lunchtime with Roggin and Rodney』に出演し、このシーンを振り返る。「レギュラーシーズン終盤の対戦で、気持ち的には『プレーオフ・モード』だった。あの試合では、コービーがいろいろ仕掛けてきていた。肘を入れてきたり、トラッシュトークがあったり、身体をつかまれたり、つねられたり、それで腹が立っていた」
それでも全く動じなかったコービーは、このシーズンはNBAファイナルでセルティックスを破って連覇を果たすと、2010年夏にはフリーエージェントになったバーンズをレイカーズに誘い入れた。バーンズはこの時の言葉も明かしている。「コービーから連絡があって『レイカーになりたいか?』と聞かれたんだ。『この俺にくだらないことをするなんて、俺と一緒にプレーできるぐらいおかしなヤツだ』とも言っていた」
2人はレイカーズで2シーズンをともに戦い、2012年のオフにバーンズがレイカーズを退団してからは、再び激しくやり合った。お互いに現役を引退しているため、いつか2人がNBA史に残る『珍場面』について、笑顔で語り合う日がくるかもしれない。