第2クォーターの3ポイントシュート成功率は100%
信州ブレイブウォリアーズが島根スサノオマジックをホームに迎えた一戦。過去2試合の戦績は1勝1敗と互角だったが、この試合では3ポイントシュートを高確率で決めた信州が前半で得た大量リードを守り切り、85-75で快勝した。
信州は井上裕介、栗原ルイス、大崎裕太の3人がコンディション不良によりベンチエントリーを外れ、島根も4月2日の富山グラウジーズ戦で負傷したリード・トラビスが左手第4中手骨骨折により欠場した。また、トラビスはアメリカで手術を受けるために4月11日に帰国するという。
序盤は信州の守備の固さが目立つ展開に。ヘルプに頼らず一人でマークマンを守り切ることで、外国籍選手にタフショットをねじ込まれることはあってもイージーシュートを許さなかった。また、ズレを作らせなかった結果、島根は個での打開が中心となり、第1クォーターは日本人選手の得点が0となった。
ディフェンスからリズムをつかんだ信州はウェイン・マーシャルのインサイドプレー、アンソニー・マクヘンリーの巧みなゲームメークで次々と加点。ヤン・ジェミンと小野龍猛を同時に起用するビッグラインナップも機能し18-12と先行した。
第2クォーターに入ると、信州の3ポイントシュートが火を噴く。トラップをかいくぐり、インサイドアウトやキックアウトから放つ3ポイントシュートが面白いように決まる。西山達哉の3本を筆頭にこのクォーターで放った7本の3ポイントシュートをすべて沈め、早々にリードを2桁に乗せた。
島根はニカ・ウィリアムスがインサイドで奮闘し、ペリン・ビュフォードが得意のランニングプレーで反撃したが、信州とは対照的にアウトサイドシュートに当たりが来ず、前半の3ポイントシュート成功率が14.3%(14本中2本の成功)と低調だったことが大きく響いた。また、素早いローテーションからグッドディフェンスを見せるシーンもあったが、ショットクロックわずかな場面でインサイドにボールを入れられ、マーシャルにバスケット・カウントを許すなど、最後の最後で守り切れない痛い失点が目立った。
日本人選手の得点が伸びなかった島根
こうして信州が51-33と大量リードを奪って後半を迎えた。そして、前半の勢いを継続させた信州はこのクォーターだけで14得点を奪ったマーシャルのゴール下で点差を20に乗せると、約2分半で9-0と走り試合を決定づけた。
最後まで試合を捨てなかった島根はニカがゲームハイの27得点、デモン・ブルックスが22得点、ビュフォードが18得点を記録し、残り47秒で1桁点差まで戻したが覆すまでには至らなかった。3選手以外では杉浦佑成の4得点が最多となり、日本人選手の得点力アップが求められる。
一方の信州は24得点を記録したマーシャルを含め、7人が7得点以上を挙げるバランスの良さを披露。小野はフィールドゴール成功率75%と高確率でシュートを決め続け、シーズンハイの13得点を記録。2試合連続で2桁得点を記録し「少しずつですけど、自分のできる範囲でこのチームに対して仕事ができるようになってきた」と語った。それでも、「コーチも言っていましたが反省点の多い試合で、離せるところでもっと離すべき試合だったと思います。もう一度明日も勝ちたい」と勝って兜の緒を締めた。
これで信州は島根を上回り、西地区5位に浮上。チャンピオンシップ進出の可能性はすでに絶たれているが、来シーズンに向けてプレーの質を高め、少しでも勝ち星を伸ばしたいところだ。