プレッシャーディフェンスで9-0スタート、リードを守り切る
NCAAトーナメントは大会最終日、男子のファイナルはゴンザガ大とベイラー大の激突となった。
立ち上がりから攻守が噛み合ったのはベイラー大だった。前からの激しいプレッシャーディフェンスに加えて、タイミング良く仕掛けるダブルチームが効き、ゴンザガ大にチャンスを与えない。好守からトランジションに持ち込むことで開始2分半で9-0とリードを奪い、その後もディフェンスの強度を落とすことなくオープンで放つ3ポイントシュートを確実に決めてリードを広げていった。
ジャレット・バトラー、ダビオン・ミッチェル、マシオ・ティーグのガードトリオが攻守を引っ張り、開始8分を過ぎたところで23-8とベイラー大がリード。ゴンザガ大から5つのターンオーバーを引き出すとともに、オフェンスリバウンドで5-0と圧倒することで、フィールドゴールのアテンプトで17-7と上回る完璧な立ち上がりに。その後はプレッシャーディフェンスに対応したゴンザガ大が立ち直るものの、ベイラー大が47-37とリードして前半を終えた。
後半になってベイラー大はビッグマン2人が揃ってファウルトラブルに陥るが、それでもプレーの強度を落とさず攻守にアグレッシブなプレーを続け、73-53と20点差までゴンザガ大を突き放す。相手のファウルトラブルに付け入りたいゴンザガ大だったが、逆に自分たちのビッグマンであるドリュー・ティミーがファウルトラブルに。ゴンザガ大は前半に1本しか決まらなかった3ポイントシュートが入り始め、サッグスの得点も伸び始めるが、試合開始からアクセル全開のベイラー大の勢いは落ちなかった。
もともと定評のある組織ディフェンスは、NCAAトーナメント決勝という大舞台でより研ぎ澄まされ、ゴンザガ大のピック&ロールをブリッツで潰し、ブリッツをパスでかいくぐられても素早いローテーションでディフェンスに穴を作らず、イージーシュートを許さなかった。
後半残り7分40秒、75-59でゴンザガ大はティミーを戻して勝負に出るが、それでもベイラー大はディフェンスの強度を保ちつつ、オフェンスでは30秒のショットクロックをきっちり使うことでゴンザガ大の意図とは逆に試合のペースを落とす。最後まで優位を保ったベイラー大が86-70で勝利し、NCAAトーナメント初優勝を決めている。