熾烈なチャンピオンシップ争い「この2連敗は痛いです」
名古屋ダイヤモンドドルフィンズは週末に宇都宮ブレックスと対戦するも、リーグ首位の強豪の牙城を崩せず連敗を喫した。中東泰斗は「相手が宇都宮さんだろうと1勝を取りに行くという気持ちで挑んだんですけど、相手のやりたいバスケをやられ、自分たちのやりたいバスケができませんでした」と、この連戦を振り返る。
名古屋Dは宇都宮戦を迎える時点で29勝19敗、西地区3位を大阪エヴェッサと争っているが、試合が中止となった大阪に対して、名古屋Dは連敗したことで勝率が下がり、「本当にチャンピオンシップを狙っているのでこの2連敗は痛いです」と中東は言う。
第2戦は司令塔の齋藤拓実が家庭の事情により帯同できなかったにもかかわらず、中東の活躍も光り36-32とリードして前半を折り返した。だが、第3クォーターに入ると、強度の上がった宇都宮のディフェンスに圧倒され、攻守ともに崩壊。中東は「オフェンスが停滞し、オフェンスがダメだからディフェンスも緩くなってしまった。シュートが入らなくてもディフェンスをしっかりしなきゃいけなかったのに下を向いてしまった」と、4-25で勝敗を分けた第3クォーターを振り返った。
バスケは流れの奪い合いであり、自分たちの時間を長く維持できた側が優位に立つ。試合の中でどちらのチームにも良い時間帯と悪い時間帯が訪れるが、第3クォーターのような悪い時間帯の時ほどチームで打開すべきだったと中東は後悔した。
「流れが悪く、そこで自分が攻めたんですけど、個で打開しようとしてミスしてしまったので、そこは自分の反省点です。個の力も必要だと思うんですけど、その苦しい時間帯こそチームとして展開できれば良かったと思います」
「この試合をベースに戦っていけば、全部勝てるんじゃないか」
宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチは「名古屋さんはトランジションと3ポイントシュート。何が最重要事項かと言ったら3ポイントシュートなので、40分の中で何をやられたら一番名古屋さんが乗ってくるか、それを徹底的になくすというのが2試合のプランだった」と明かした。
実際、第2戦で名古屋Dがリードして前半を終えることができたのは、狩野祐介や安藤周人がチャンスを逃さずに3ポイントシュートを沈め、中東が速攻から得点したことが大きい。そして、第3クォーターを除けば、57-55と互角以上の戦いができたことも事実であり、中東はそこに手応えを感じている。
「東地区1位のチームとやって、この試合をベースに戦っていけば、ここから全部勝てるんじゃないか。それくらい30分間は良いゲームができました。あとはダメだった10分間をどう修正するかです」
中東は191cmの身長に加え、容易にダンクができる身体能力を持ち、攻守両面での活躍が期待されている。「走ってそこから展開を作ってほしいと言われますし、『オン3』をやるチームが多いので、そういった選手とマッチアップすることも多く、そこを止めるディフェンス面でも求められています」と、中東も自身が担うべき役割を理解している。実際、宇都宮戦ではLJ・ピークとのマッチアップを任され、アドバンテージを作らせなかった。
西地区のチャンピオンシップ争いは琉球ゴールデンキングスを除き、シーホース三河、大阪、名古屋Dの3チームにほぼ絞られた。大阪には平均19.9得点を挙げるディージェイ・ニュービル、三河にはオフェンスリバウンドが持ち味のオールラウンダー、カイル・コリンズワースがいる。バックコートの強力な外国籍選手を抑えられるかどうか。名古屋Dがチャンピオンシップに進出するためには、中東の攻守にわたる活躍が必須となる。
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