八村塁&ラッセル・ウェストブルック

八村は26得点、ウェストブルックは16回目のトリプル・ダブル

ウィザーズはホームでペイサーズと対戦した。エースのブラッドリー・ビールが股関節痛で欠場と苦しい状況ではあったが、ラッセル・ウェストブルックがいつも以上に奮起し、また得点面では八村塁のステップアップもあり、132得点を奪って打ち合いの激戦を制した。

132-124の最終スコアが示すように、試合が進むにつれてペースが上がるハイテンポなオフェンス合戦となったこの試合で、八村は開始3分に速攻で走ってのイージーダンクで初得点を記録すると、欠場したビールの分までと得点への意識を押し出した。そんな試合で目立ったのは、味方のボール奪取に誰よりも早く反応してイージーなチャンスへと繋げるトランジションの意識、カットインでパスを呼び込む連携がこれまで以上に合ってきたこと。特にウェストブルックとの連携が良く、八村の動き出しにウェストブルックも合わせて次々と得点が生まれた。

終盤にスタミナ切れでパフォーマンスが落ちるのが八村の課題だが、この日はプレーに絡もうとする意識が終盤まで落ちなかった。1点リードの第4クォーター残り8分にコートに戻った後、チームは0-7のランを浴びて逆転されるが、タイムアウトを機にチームも八村も奮起。八村が3ポイントのシュートフェイクから技ありのパスでデニ・アブディヤの得点をアシストすると、ドマンタス・サボニスのシュートをアレックス・レンがブロック、すぐさまウェストブルックがプッシュし、八村のダンクに繋ぐビッグプレーが飛び出した。

残り2分半にはウェストブルックがディフェンス2人を引き付けて八村にパスを出し、八村は3人目のディフェンスがカバーに入る動きをよく見て、ゴール下に飛び込んだチャンドラー・ハッチソンのイージーシュートをアシスト。その後はリードを守りきった。

ウェストブルックは35得点14リバウンド21アシストを記録。35得点以上、かつ20アシスト以上でのトリプル・ダブルはNBAで初の快挙となった。また今シーズンがウィザーズ1年目のプレーにもかかわらず、16回のトリプル・ダブルで球団の歴代記録を更新した。「前の試合(ピストンズ戦)は勝ったけど自分のプレーに納得してなかった。チームメートにもっと多くのチャンスを作り出せると思っていたからね。僕はリーダーとしてチャンスを作り出すことに誇りを感じている。今日はみんなが良い動き出しでパスを引き出して僕を助けてくれたよ」とウェストブルックは試合後に語っている。

八村は26得点8リバウンド3アシストを記録。ウェストブルックの言う「良い動き出し」ができていた筆頭格であり、フィールドゴールのアテンプト24本はキャリア最多で、このうち12本を成功させている。

ウィザーズが勝てない時期には、ビールが高得点を挙げても他の選手の得点が伸びなかったり、ウェストブルックがハッスルすればするほど他の選手の存在感が消えたり、チームを引っ張る選手と若手のギャップが目立っていたが、その課題はここに来て修正されつつある。まだNBAキャリア2年目ではあるが、主力として先発起用され続ける八村が2人のエースと若手を繋ぐ役割をこなしている。そういう意味では今まで以上に、八村がウィザーズのキーマンと言っていい。