「馴染みの顔を見ること、ロケッツとの試合を楽しみにしている」
ジェームズ・ハーデンは古巣ロケッツとの初対戦を迎える。慣れ親しんだ本拠地ヒューストンのトヨタ・センターに戻るにあたり、彼は『ESPN』の取材に応じ、「愛情をもって迎え入れてもらいたい」と語っている。
ヒューストンは先日、記録的な寒波に見舞われて大きな被害を受けた。ハーデンは自分のコネクションと資金を駆使して被災者の救済に当たっている。「今もヒューストンは僕の一部だ。苦しんでいる人たちに少しでもハッピーな気分を届けられれば、という気持ちだった」とハーデンは語る。
ただ、ロケッツのファンからすれば、ハーデンに裏切られたという感情を拭い去るのは簡単ではない。昨夏に契約延長オファーに応じなかったところから緊張関係にあった球団との関係は、GMとヘッドコーチの人事を理由に完全に悪化した。ハーデンは定められた期日から大幅に遅れてチームに合流し、絞り切れていない身体のままプレーをして、「ウチはケミストリーもタレントも十分ではない」、「自分にやれることはすべてやったが、この状況はクレイジーだし、修正できるとは思えない」と発言。こうしてネッツへと移籍していった。
ハーデンは言う。「キャリアの最後までヒューストンにいるつもりだったけど、自分のキャリアや家族のために、違う道を進むことになった。この街への思いは変わらない。だけど、僕とフロントとのコミュニケーションが上手くいかなかった。スムーズに移籍する選手はいるし、僕もそうなりたいと思っていた。でも、そうはならなかったけど、僕は今のチームにいる」
ロケッツのファンが彼をどう受け入れるのか、その時になってみなければ分からない。ハーデンがどれだけ街と人々への思い入れを語ろうが、非難の声と呪詛の連発になる可能性もある。ハーデン自身も、それを恐れる気持ちがあるのだろう。仲間の危機に対し、カイリー・アービングはこう語っている。
「みんなこの試合を楽しんでほしい。僕らは高いレベルのバスケをするためにヒューストンに行く。そこで良い試合ができると楽しみにしている。ジェームズにとってはキャリアにおける飛躍の場所で、そこに戻ってプレーするんだから特別な試合になるだろう。コート上では反感なんてないはずだ。素晴らしい選手たちが激しく戦って、最高のプレーを見せるだけさ」
ハーデンも、この試合を楽しみにしていると言う。「僕は8年間をヒューストンで過ごし、今もそこが家だと思っている。僕は食事や水の提供や、壊れた家の修繕、人々に笑顔を与えることだったり、いろんな方法で多くの人たちに触れていきたい。それはヒューストンの人たちが僕にしてくれたことだからね。みんな僕と家族にたくさんの愛情をくれた。その過程はまだ続いていると思っているし、恩返しは続けていく。ラブとリスペクトしかないよ。馴染みの顔を見ること、ロケッツとの試合を楽しみにしている」