「僕はただバスケットボールがしたいだけなんだ」
チーム内でクラスターが発生したウィザーズは6試合が延期となり、約2週間ぶりにコートに戻って来た。最初に安全衛生プロトコルにより試合にエントリーできなくなった八村塁とモリッツ・バグナーは引き続き欠場したが、このタイミングでラッセル・ウェストブルックがケガから復帰。緊急補強したジョーダン・ベルとアレックス・レンも加わり戦力は揃ったものの、試合がない間は十分な練習ができておらず、試合勘もない。スパーズに101-121で敗れた。
ヘッドコーチのスコット・ブルックスは「我々全員が完全にリズムを失ってしまった。取り戻すには時間が必要だ。チームも選手も、そう簡単にスイッチがオンになるわけじゃない。ただ、よく戦ったと思う。とにかく試合ができて良かった」と語る。
ブラッドリー・ビールは31得点7リバウンド4アシストとエースの働きを見せたが、この状況でプレーを続けることに苦悩している。「今も試合が終わって検査を受けてきた。様々なことが日々起こって振り回されている。こんなの普通じゃないよ」
彼は再び『バブル』を行うべきと主張した。昨シーズン、NBAは選手に最初の感染が確認された時点でリーグを中断し、オーランドのディズニー・リゾート内に感染予防策を徹底した隔離エリアの『バブル』を作り、そこでシーズンを再開させた。大変な取り組みではあったが『バブル』内では誰も感染することなくNBAファイナルまでの全日程を消化している。
「最初にやったのと同じように上手く行くと考えたら、反対にはならないと思う」とビールは言う。「僕は前回の『バブル』には参加していないから、実際にどうだったのかはよく分からない。でも今は毎日2回の検査をやらなきゃいけないし、大変なんだ。新型コロナウイルスを拡散させずに安全が担保されるなら、僕は『バブル』を支持する。僕はただバスケットボールがしたいだけなんだ」
ウィザーズは試合を再開させたが、グリズリーズは今も試合延期の状況に置かれている。NBAはルールをより厳格なものへと変えて感染拡大を阻止しようとしているが、それは選手のストレスにもなっている。これで今後も感染拡大が止まらないとなれば、ビールのように『バブル』を求める選手が増えることになりそうだ。