江村優有

32得点を記録するとともに「泥臭い仕事」にも全力

ウインターカップは大会4日目。女子は準々決勝の4試合が行われ、優勝候補の桜花学園が京都精華学園を圧倒して勝利した。

試合開始から12-0のラン。京都精華が交互にコートに送り出す得点源の留学生プレーヤー、トラオレ・セトゥ、イゾジェ・ウチェに対し、オコンクウォ・スーザン・アマカを中心にボールを入れさせない。アウトサイドのシュートにもしっかりチェックに行き、速い展開の攻めでリードを広げていった。

ようやくエンジンのかかった京都精華は中江美友、荻田美の3ポイントシュートで一気に点差を詰めるが、ここで江村優有がエースの本領を発揮する。ピック&ロールからミドルジャンパーを確率良く決めて京都精華の反撃ムードを一掃する。江村の勢いは止まらず、効率が悪いとされる中距離の2点シュートを迷わずに打ち切っては決めていった。

桜花学園は第2クォーターも9-0、第3クォーターも6-0と、クォーターの立ち上がりにチームがきっちりと噛み合う。ディフェンスでも強度を高く保ち、160cmの江村が留学生プレーヤー相手にリバウンドやルーズボールに飛び込み、吹っ飛ばされながらもポゼッションを死守するようなシーンが何度もあった。江村は「中学の時からルーズボールやリバウンドの泥臭いところに飛び込むことを意識してやっているんで、全力でやるのはいつものことです」と、さも当然といった表情で語るが、キャプテンの江村に引っ張られてチームが活気付いていたのは間違いない。

荻田美

京都精華学園は荻田美が26得点も、ベスト8止まり

京都精華はキャプテンの荻田美が3ポイントシュート3本成功を含む26得点と活躍したものの、留学生プレーヤーの2人で12得点と抑えられたのが痛かった。

江村は35分の出場でフィールドゴール20本中13本成功の32得点を記録。「最初の3試合もシュートに行くことを意識していたつもりなんですけど、アマカばかりになってしまい、センターに頼りすぎたバスケになってしまっていました」といった反省から自分で仕掛ける積極性を前面に押し出した。

アマカは27得点、また前田芽衣と朝比奈あずさも13得点と、取るべき選手が得点しながらバランスの良いオフェンスも両立させていた印象だ。江村は自身のゲームメークをこう説明する。「桜花はディフェンスからブレイクが一番の攻めで、それが崩れた時にセットプレーなんですけど、一人ひとり特長があってプレースタイルも違うのですが全員が点を取れる選手なので。でも流れが悪い時は自分で行ったり、アマカと作ってアマカのマークがヘルプに来たらアシストに行ったりと考えています」

ここまで危なげなく勝ち進んだ桜花学園は、明日の準決勝で高知中央と対戦する。