北陸

「これで勢いづいて決勝、そして優勝まで一気にボンボン行きたい」

ウインターカップ2日目。昨年大会でベスト4の北陸と2018年大会で準優勝を果たした中部大学第一が1回戦で対戦。前半は拮抗した時間帯が続いたが、後半でギアを上げた北陸が堅守速攻で主導権を握り、85-72で勝利した。

ともに留学生を擁し、序盤からハイレベルな戦いを繰り広げるが、北陸は中部大学第一の留学生、アブドゥレイ・トラオレがリバウンドを取ってボールを下げた瞬間を見逃さずにボールを奪うなど細かな隙を突いていく。そしてハードにディフェンスしてタフショットを打たしてはディフェンスリバウンドからの速攻でリズムをつかむ。

対する中部大学第一は北陸のスピードに苦戦する。トランジションだけでなく、ハーフコートでも人とボールがしっかりと動き、さらにスピード力のある選手が多い北陸のペイントアタックを止めることができない。ヘルプに入ってもキックアウトされてはシュートを決められてしまう。さらにこの試合の前半では、2ポイントシュートが31本中6本しか決まらずに、なかなかリズムをつかめない。それでも、突き放されそうな時に3ポイントシュートを沈めることで、前半は北陸に食らいついた。

40-31と北陸がリードして迎えた後半。北陸はここで攻守ともにギアを上げる。ディフェンスではオールコートでプレッシャーをかけてミスを誘い、オフェンスでは3本の3ポイントシュート成功を含め、開始3分で13-2と一気に突き放す。堅守速攻で勢いに乗った北陸は、司令塔の土家拓大がボールプッシュして走るバスケットを展開。中部大学第一のプレスディフェンスに対しても、土家がしっかりとボールを運び、前を走るシューター陣がシュートを沈める。ディフェンスでもコナティ・モディポが203cmの長身を生かしてゴール下を守り、10ブロックを記録。オフェンスでもセカンドチャンスをモノにするなどして、26得点19リバウンドを挙げた。メンバーチェンジをしても、北陸のバスケット強度は変わらずに最後までリードを維持して初戦突破を果たした。

キャプテンの土家は10得点3アシスト2スティールを記録。スタッツ以上に巧みなゲームメークやボールプッシュなどでチームに勢いを与える役割を全うしたが、本人は「自分自身のプレーは全然良くなかったですが、今回の試合はチームメートに助けられた試合でした。控えの選手もどんどんアタックしてくれて、メンバーが代わってもみんなで攻めれたのは良かったです」と言う。

試合の流れを変えた後半の入りについては、こう振り返った。「向こうは2年生が多いので、立て直す力だったら僕たちの方があると考えました。ベンチでもみんなでここで一気に畳みかけようと話し合って決めたことだったので、それが上手くいった感じです」

初戦から強豪の中部大学第一と対戦することになり、いつも以上にプレッシャーもあったはずだ。無事に初戦を突破し、「勝って正直にうれしいというのと、これで勢いづいて決勝、そして優勝まで一気にボンボン行きたいと思います」と力強く語る。

この試合でも見せたように、今年の北陸は勢いに乗ったら止まらない。土家は言う。「やっぱり勢いつけば、もう止まらないって感じです。そこは誰にも止められないと思うので、その勢いで優勝まで頑張ります」