オフェンスで苦戦しても、ディフェンスから勢いを取り戻す
サンロッカーズ渋谷vs広島ドラゴンフライズの第2戦。SR渋谷が89-81で勝利し、ホーム2連勝を飾った。
昨日の初戦に続き立ち上がりはSR渋谷のオールコートディフェンスが機能し、広島からターンオーバーを誘発する。ハーフコートでもビッグマンにボールが入ると、バックコート陣がすぐに駆け寄りダブルチームで抑えては、速攻やピック&ロールからリズム良く得点を重ねる。
対する広島は立ち上がりこそSR渋谷のプレッシャーに圧倒されたが、それに慣れてくるとビッグマンにボールを入れてはアウトサイドでフリーになった朝山正悟やトーマス・ケネディの3ポイントシュートで得点を重ねる。さらに、途中出場の田渡凌とアイザイア・マーフィーがボールをプッシュして速いバスケットを展開し、一時は8点差をつけられたが1点差まで追い上げた。
しかし、第2クォーター開始3分で追い付かれた場面で、SR渋谷が広島の勢いを断ち切る。関野剛平が田渡凌にプレッシャーを与えトラベリングに追い込むと、続くポゼッションではベンドラメ礼生とライアン・ケリーのアリウープ、さらに石井講祐の3ポイントシュートで広島を突き放す。そして、司令塔のベンドラメが巧みなゲームメークを披露する。チャールズ・ジャクソンとのピック&ロールやスペースが空けば自らドライブし、さらに仲間の3ポイントシュートをアシストするなどして、同点に追いつかれてからの2分間を9-0と圧倒。
こうして55-43で迎えた後半。SR渋谷はボールと人を動かしてズレを作り、さらにエクストラパスを出すことで余裕をもってシュートを沈め、開始3分で64-45とリードをさらに広げる。
それでも、各クォーターの立ち上がりが不安定な広島だが、後半も時間がたつにつれ自分たちのバスケットを展開。ケネディを中心としたピック&ロールやマーフィーがボールプッシュすることで得点を重ねると、一時は19点もあった点差を1桁にまで縮めた。
71-62とSR渋谷のリードで迎えた最終クォーター。SR渋谷は広島のチェンジングディフェンスに苦戦したが、ディフェンスではインサイドへのダブルチームを徹底して続けることでミスを誘い速攻へと繋げた。それでも自分たちのミスから広島に速攻を立て続けに許してしまい、残り3分を切ったところで3点差にまで追い詰められた。しかしSR渋谷は焦るのではなく、勝負どころで石井やベンドラメが3ポイントシュートをしっかりと沈めることで最後まで逃げ切り、89-81で勝利した。
「今後の自信に繋がるゲームになった」
この試合では広島が26のターンオーバーを犯し、そこからSR渋谷は32得点を奪った。SR渋谷もターンオーバーは17本と多く、伊佐勉ヘッドコーチは「連勝できて良かったです」と第一声で語ったが、すぐに反省点を挙げた。「20点差ぐらいつけたところまでは良かったですが、そこから安易なミスから流れを持っていかれて、結果的にいつもと同じような悪いゲームになってしまいました。なので気分は相当悪いですけど、勝てて良かったというだけです」
対する広島の堀田剛司ヘッドコーチは、敗れはしたものの最後までSR渋谷に食らいついた選手を称えた。「昨日のゲームもミスがすごく多く、今日も相手のプレッシャーによってターンオーバーが増えてしまいましたが、最後まであきらめずにウチの良いオフェンスを出すことができました。ディフェンスでも後半は相手を10点台に抑えられたところは、今後の自信に繋がるゲームになったと思います」
広島はこれで10連敗となり、堀田ヘッドコーチはこの現状を「長いトンネル」と表現したが、試合を重ねるごとに成長も実感していると言う。「今日はアシスト数も28本で、ボールが動いたオフェンスができていた時間帯が昨日よりも長かったです。今は勝ち星が挙げられず長いトンネルに入っていますが、日々成長して、向上心を持ってしっかり練習に取り組んで、次の試合では初戦で勝ち星を取れるように準備していきたいです。選手もプラスな方向に考えていると思うので、そこをしっかりとサポートしていきたいと思います」
勝負の結果とは反対に、SR渋谷は課題が多く残り、広島は手応えを感じられる試合となった。SR渋谷は勝ちはしたものの悔しい内容となったが、自分たちのディフェンスを最後まで維持することで大崩れすることがなかったのは流石だ。
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