イスラエル出身選手としては史上初のトップ10指名
イスラエル出身で、ヨーロッパの強豪マッカビ・テル・アビブでユーロリーグ出場も経験している19歳のデニ・アブディヤは、11月18日のNBAドラフトでウィザーズから全体9位で指名された。トップ5での指名が有力視されていたタレントだけに、ウィザーズからすれば儲け物だったに違いない。トミー・シェパードGMもウォールームからアブディヤの指名をリーグに伝えた後、「やった!」と声をあげた。
昨年のウィザーズが同じ1巡目9位で指名したのが八村塁だった。今年も同じスモールフォワードの選手を獲得したことになる。それでもフィジカルの強さと縦への推進力、ミドルレンジのジャンプシュートを得意とする八村に対し、アブディヤはボールハンドリングやプレーメークに優れており、プレースタイルは異なる。アブディヤをポイントフォワードとしてプレーさせれば同時起用は可能だろう。
昨シーズンのウィザーズはケガ人が続出したこともあって、八村はシュートタッチが悪くても長いプレータイムを保証されていた。スタッツは出しやすいが、それではプレーにメリハリが効かない。八村とアブディヤがプレータイムをシェアできるようになれば、ウィザーズにとっては勝利に近づくし、八村にとっても刺激になるはずだ。
指名後のインタビューで、アブディヤは「イスラエルは小さな国なので、こんなに上位で指名してもらえてうれしい。自分のプレーを次のレベルに引き上げたい」とコメント。また「家族とファンを愛している。一生懸命に努力して、みんなを誇らしい気持ちにさせたい」と続けた。
ドラフト後の会見では、イスラエルの次世代に与える影響についても質問が及び、アブディヤは「若い選手に影響を与えられればうれしい。そのために必要なことなら何でもやるつもりでいる」と答えた。
「子供たちのお手本になれるのはうれしい。僕の国は小国だけれど、大きなことだって成し遂げられる。これまでも大きなことをやってのけた。それはこれからも変わらない。僕のアドバイスが必要なら、いつでも協力する」