細川一輝

長年チームの指揮官を務めた浜口炎とエースのジュリアン・マブンガが富山グラウジーズへ移り、京都ハンナリーズは新たなフェーズを迎えた。過去2シーズンはほぼ勝率5割を残していたが、今シーズンは10試合を終えて2勝8敗と大きく負け越している。それでも、若手の台頭というポジティブな要素も出てきた。その筆頭がシックスマンとしての地位を確立した新人の細川一輝だ。上武大、関東2部リーグで得点王となったオフェンス力を武器に、京都のこれからを担う細川に話を聞いた。

「1部、2部関係ないよってことを見せたいです」

──プロになって初めてのバイウィークはどのように過ごしていますか?

月曜日が休みで週5くらいで練習をしているので、これまでと特別に変わったことはありません。 ですが、(レイヴォンテ)ライス選手と(ジャスティン)ハーパー選手が来てからまだ日が浅いので、コミュニケーションを重ねてこの期間を良い機会にしたいです。

──少なからずオフの時間が増えるかと思っていましたが、大変ではないですか?

大学の時も休みは週に1日でしたし、練習時間も限られていて自由な時間もあるので、きつくはないです。

──群馬から京都へ来ましたが、現在の生活には慣れましたか?

上武大学の時は寮でしたけど、今は一人暮らしで、練習から帰ってきてから食事を自分で作るのはちょっと大変ですね。寮の時は友達といる時間が多かったので、静かで一人になると寂しいと思うこともあります(笑)。ただ、一人の時間ができて考える時間が増えたことは良いことです。

プロ選手は周りに見られる仕事だと思っているので、ちょっと外に出る時も恥ずかしくないような恰好をしようと気を付けています。本当は食事も気を付けようと思っていたんですけど、食べたいものを食べたくなっちゃうので、これからはやっていこうと思います(笑)。

──昨年に群馬クレインサンダーズの特別指定選手としてBリーグを経験しましたが、現在はプロ契約でプレータイムも確保しました。ここまでの結果は想定内ですか?

ルーキーですし、大学も1部でやっていたわけじゃないので、想定外です。ディフェンスができないとプレータイムはもらえないと思っていて、大学の時からディフェンスがあまり得意ではなかったので、ディフェンス面では成長できていると思っています。

ケガ人が多い中でチャンスをもらえていて、試合に出れる時間が増えると楽しいので、もっともらえるようにアピールしていきたいです。プロとしても、ファンのためにも結果は大事だと思いますが、楽しんでやっていたほうが良い方向に向いて、それが勝利に繋がると思っています。

──2部リーグとはいえ、得点王になりました。1部リーグ出身のBリーグ選手が多いですが彼らへの反骨心はありますか?

そうですね(笑)。当時はチームのエースとして自分が勝たせないといけないという思いでやっていて、オフェンス力には自信はあります。B1だと当たる機会も多いので1部出身の選手に対しては負けたくないです。誰というのは本当にないですが、1部、2部関係ないよってことを見せたいです。

細川一輝

「外国籍選手に頼りすぎていると思って、上がってしまう時も」

──得点力に自信があると言うように、積極的にオフェンスに絡む姿勢が印象的です。その中で味方のスペースを潰してしまう瞬間も時に見受けられます。それは戦術理解ができていないのか、それとも自分が得意な場所でもらいたいことの裏返しなのかどちらでしょう?

もうちょっとコーナーに下りなきゃいけない時もありますし、点数を取りたいと思ってもらいにいってしまう場面もあるので、どちらとは言えないです。チームからもコーナーでステイしとけって言われるんですけど、頭の中で外国籍選手に頼りすぎていると思って、自分もボールを触りたいなと上がってしまう時もあったりします(笑)。

──しれっとすごいことを言っている気がしますが、それはヘッドコーチから怒られたりしませんか?

新潟戦で(デイヴィッド)サイモン選手がトップにいて、残り時間が少ない時に上がってしまいました。僕はその時24秒を見れていなくて、右サイドを狭くしてしまった時は我慢してステイしとけと言われました。

──新人は与えられた役割をこなすことで精いっぱいになってしまうものだと思いますが、なかなかの強メンタルですね。

アピールしなきゃいけないと思って、動いてしまいます(笑)。こういう取材も緊張しますし、メンタルが強いとは思わないですけど、周りがちゃんと見えて良い緊張感でこの10試合をやれています。

──この10試合すべてに出場し、平均19.4分のプレータイムで5.2得点、3.7リバウンド、3ポイントシュート成功率は42.9%を記録しています。今後の目標はどういったことになりますか?

金丸(晃輔)選手とか相手のエースにつく機会も多くなってきています。もっとディフェンスの強度を上げなきゃいけないですし、そこをどれだけ抑えられるかが今の目標です。ディフェンスが良くなればオフェンスもついてくると思っているので、どれだけ相手を嫌がらせられるかを考えながらやっていきたいです。

──得意のオフェンス面ではないのですね。ヘッドコーチにもディフェンス面の貢献を求められているのですか?

今はディフェンスのほうが求められています。オフェンスでアタックしろと全選手が言われますが、僕個人としてオフェンスについてはそこまで言われないですね。オフェンスとディフェンスの両方を言ったら大変になると思っているからなのか分からないですけど、今はディフェンス面で言われることが多いです。

──ではファンに向けて自分のここを見てほしいというところを教えてください。

リバウンドも結構取っているほうなので……。

──シュートでもなくディフェンスでもないのですね(笑)。では最後に京都のファンに向けてメッセージをお願いします。

今は2勝8敗で大変な状況ですけど、これからもっとチーム力を上げて良いチームにしていくので、これからも熱いブーストをお願いします!

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