シャキール・オニール

面倒見の良いシャックの一面

シャックの愛称で知られる元NBAのレジェンド、シャキール・オニールは現役時代からファンに愛される存在だった。試合の真剣勝負を離れると、チームメートにいたずらを仕掛けて子供のように笑い、NBAでのキャリアが苦行にならないよう全力で楽しもうとした稀有な選手だった。

先日、シャックがレイカーズでコービー・ブライアントとチームメートだった頃を扱った書籍『Three-Ring Circus: Kobe, Shaq, Phil and the Crazy Years of the Lakers Dynasty』が発売された。本には当時チームメートだった選手とのエピソードがいくつも登場する。

チームメートだったマーク・マドセンはある日シャックに車を買いに行こうと誘われ、「お前の欲しい車の頭金を払ってやるよ」と言われた。マドセンは拒否したが、結局シャックが金額交渉をしてくれてお目当ての車を購入できた。

また、シャックはマドセンのプライベートライフの充実にも一役買おうとしていた。モルモン教徒のマドセンのデート相手を見つけるために、移動中の飛行機で見かけたキャビンアテンダントやレストランにいる女性に声をかけ、モルモン教徒かどうかを尋ねた。マドセンは2016年に結婚するが、相手はシャックが紹介した女性ではなかったそうだ。

現在レイカーズでアシスタントコーチを務めるマイク・ペンバーシーは2001年、デビュー戦を控えバナナ・リパブリックのジャケットを着用してアリーナに入った。シャックはペンバーシーの腕を掴み、恥をかかせないように小声で「スーツ持っていないだろ」と声をかけた。翌日、シャックは自分のテーラーを紹介しスーツを6着仕立て、全額を支払った。また、ペンバーシーの父親が亡くなった時も葬儀の費用を払うと申し出たそうだ。ペンバーシーはシャックを「大金持ちのビッグブラザー」と呼び、リスペクトしている。

現役を終えアナリストとして活躍する現在も、人生を楽しんでいるシャック。大きな身体と子供の心を持つシャックは現役時代と変わらない人気を誇っている。