レディックがペリカンズ首脳に恩師の招聘を後押し
現地10月23日、ペリカンズはスタン・ヴァン・ガンディのヘッドコーチ就任を正式に発表した。
ヒートで3年、マジックで5年、ピストンズで4年のヘッドコーチ歴を持つ61歳は、マジック時代にNBAファイナル進出を果たすなど実績も豊富で、戦術家であると同時に若手育成にも定評がある。新天地では、マジック時代に指導したJJ・レディックと再会を果たすが、ヴァン・ガンディの招聘にベテランのレディックが一役買っていたと見られている。
『ESPN』によれば、レディックはヴァン・ガンディに関する意見をペリカンズのフロントに伝えていたという。
ペリカンズの中心を担う若手の中に、ヴァン・ガンディの指導を受けた選手はいない。さらに言えば、アルビン・ジェントリーの更迭後のヘッドコーチ候補としては、ロケッツの前指揮官だったマイク・ダントーニが挙げられていたにもかかわらず、突然ヴァン・ガンディが候補に急浮上し、短期間で就任が決まった印象がある。
レディックは2006年のNBAドラフトで1巡目11位指名でマジック入り。プロ2年目から5シーズンに渡り指導を受けたのがヴァン・ガンディだった。若手の頃からシュート力には定評があったレディックだが、小柄でディフェンスができないと見なされてプレータイムがなかなか伸びなかった。その時期に、時に厳しく、そして親身になって指導したヴァン・ガンディはレディックをスタートに据えようとはしなかったが、シュート能力を磨かせてスペシャリストへと育て上げた。
ケガで1年目の出場試合数が限定されたとはいえ、モンスター級のポテンシャルを披露したザイオン・ウイリアムソン、MIPを受賞したブランドン・イングラム、ロンゾ・ボールにジョシュ・ハートとこれからNBAのトップ選手に育つ可能性を秘めた若手を本格的なブレイクに導くのがヴァン・ガンディの仕事だが、チームをまとめるにはレディックのような経験豊富なベテランが欠かせない。すでに師弟関係にある彼がいれば、ヴァン・ガンディの仕事もやりやすくなるに違いない。