バーレルがファウルトラブル、ガードナーが33得点

シーホース三河は今シーズン初のホームゲームに、名古屋ダイヤモンドドルフィンズを迎えた。

前半はほぼ互角の攻防。三河は3ポイントシュート中心の攻めが当たり、金丸晃輔が第1クォーターから厳しいマークをかいくぐって5本中3本成功と大当たり。相手ディフェンスを引き付けてのアシストもあってオフェンスを引っ張った。重量級センターのダバンテ・ガードナーもペイントエリア内だけでなく3ポイントシュートも狙い、相手に守りどころを絞らせない。対する名古屋Dもオフェンスが好調。こちらは内外バランスの良い攻めで第1クォーターはフィールドゴール13本中9本成功と、三河のディフェンスを揺さぶってはチャンスを作り出して得点を重ねていった。

前半は45-41で三河がリード。両チームともシュートタッチが良い中で、ターンオーバーからの得点、ファストブレイクの数だけ三河が上回った。高い位置でプレスをかけ、ディナイでボールを引っ掛ける。得点を量産しつつ2スティールを記録した金丸、また途中出場ですぐさまスティールからのワンマン速攻に持ち込んだ新外国籍、カイル・コリンズワースの働きが光った。名古屋Dは粘りを見せていたものの、前半は一度もリードを奪えなかった。

後半最初のポゼッション、三河は金丸がダブルチームを仕掛けられてボールを失うものの、その後のディフェンスで耐え、シュートが落ちてもチームでオフェンスリバウンドを確保してガードナーの3ポイントシュートに繋げる。続いてはガードナーがエリア内でジャスティン・バーレルとの1対1をフェイダウェイで沈めてバスケット・カウント。このボーナススローが外れたリバウンド争いでバーレルが連続ファウル。これでバーレルは個人4つ目のファウルとなり、ベンチへと下がらざるを得なかった。

ジェフ・エアーズに張本天傑と小さくなったインサイドをガードナーが執拗に突く。ただ、そこに意識が行きすぎたことで流れの良かった3ポイントシュート攻勢が止まり、ガードナーにオフェンスが偏る。これに対し名古屋Dはゾーンディフェンスでしのいで安藤周人が連続3ポイントシュート、齋藤拓実も続いて3連発で逆転に成功。ハイテンポで点を取り合う一進一退の攻防となった。

齋藤拓実

ビハインドの時間に粘った名古屋D、奮戦実らず

61-64と3点ビハインドで迎えた第4クォーター、名古屋Dにとってはファウルトラブルのバーレルに加えて齋藤、狩野、安藤を休ませる我慢の時間帯。それでもゾーンディフェンスでガードナーの攻めを止め、木下誠が高速ドライブで三河のディフェンスを切り裂き、自ら得点を決めたかと思えばエアーズのバスケット・カウントをお膳立て、張本のイージーシュートをアシストと大活躍。こうして4点ビハインドでオフィシャルタイムアウトを迎えたところで、先発を戻して勝負に出る。

我慢の時間を耐えた名古屋Dが良い流れをつかみかけているように思えたが、勝負どころで三河もエナジーのレベルを上げて主導権を渡さない。そして残り1分、右からゴール下までドライブで切った柏木真介が左コーナーで待つ金丸にパスを送る。金丸は冷静にワンフェイクを入れてディフェンスをかわし、3ポイントシュートをねじ込んだ。これで85-78、名古屋Dは安藤がタフな3ポイントシュートを、またバーレルがガードナーをかわして豪快なダンクを決めて追い上げるも及ばず。87-82、三河が接戦を制している。

ガードナーはゲームハイの33得点、金丸は3ポイントシュート6本成功を含む24得点。スタートダッシュに勝利を決定づける一発と印象的な活躍を見せた金丸は「試合の大事なところ、終盤で変なミスをしていない。しっかりとしたプレーをしてディフェンスで粘って競り勝っている」と、開幕からの連勝を5に伸ばしたチームの戦いぶりを称えた。

鈴木貴美一ヘッドコーチは粘り強く戦った名古屋Dに対して「ああいうタレントのいるチームに簡単に勝てることは絶対にありません。ウチの流れもあるし相手の流れもあったんですけど、クロージングでウチのシュートが入って、相手のシュートが入らずに勝てた」と語る。「タフなゲームになったんですけど、最後の最後で勝ち切れて良かった」と安堵の表情を見せる。

名古屋Dにとっては悔しい負けだが、梶山信吾ヘッドコーチは「チームで守ってチームでリバウンドを取る、ここ4試合の課題だった部分ができたのは良かった」と収穫を強調する。バーレルのファウルトラブルがなければ、という展開だっただけに明日の第2戦での挽回が待たれる。