良い緊張感の中でプレーし、ここまで2勝1敗
男子日本代表は先週末から台湾での招待大会、ウィリアム・ジョーンズカップを戦っている。
7月23日に行われたチャイニーズ・タイペイAチームとの初戦。日本は富樫勇樹、満原優樹、藤井祐眞、遠藤祐亮、永吉佑也をスターターとして起用した。試合開始から0-7のランを浴びるも、タイムアウトで落ち着きを取り戻して反撃を開始し、17-17と追い付いて第1ピリオドを終える。
しかし、いつも苦戦するチャイニーズ・タイペイを相手に善戦できたのも前半のみ。後半に入ると相手の3ポイントシュートが当たり始めて一気に点差を広げられ、結局55-76での敗戦。チームとして連携を築く時間がほとんど取れなかったことに加え、国際大会でアウェーの雰囲気に飲まれてしまう経験のなさが出てしまった。ただ、それでも遠藤は試合後に「コミュニケーションは取れていましたし、チームの雰囲気は良いです。良い緊張感の中でバスケットができて、負けてはしまいましたが楽しめました」とポジティブな面を強調した。
翌24日のインド戦では攻守ともに素晴らしいパフォーマンスが飛び出した。富樫に代わりポイントガードで先発起用された篠山竜青が攻撃のリズムを作ると、第1ピリオドから藤井が3本の3ポイントシュートを決める大当たり。第2ピリオドにも岸本隆一、熊谷尚也が3ポイントシュートを決め、45-28と大量リードで前半を終える。
ディフェンスでも高さに勝るインド代表を、足を使ってうまく抑え込み、第3ピリオドを終えた時点で74-49と大量リード。終盤にインドの追い上げを浴びたものの、最終スコア89-70で快勝した。勝因は各ピリオドの立ち上がりに好プレーが出て、自分たちのバスケットができたことだろう。3ポイントシュートでチームを勢いに乗せた藤井は「自分だけでなくチームが勢いに乗って、良い形の入り方ができました」と活躍を喜ぶとともに、「終盤まで前から激しくディフェンスに行なっていたことで、流れが良い方向に向いた」と守備面でも手応えを得ていた。
エジプト戦ではロースコアゲームをしぶとく戦い接戦を制す
続く第3戦、エジプト代表に対しても前日と同じ5人でスタート。「日本がやらなければいけないのは40分間オールコートでプレッシャーを掛け続けて、相手の体力を削っていかなければ勝負にならない」との指示を受けたと話す篠山が先頭に立ち、激しいディフェンスを遂行する。前日とは打って変わってのロースコアゲームになったが集中力を切らすことなく戦い、前半の最後を熊谷のブザービーターの3ポイントシュートで締め、32-27で折り返す。
第3ピリオドから追い上げられ、第4ピリオド序盤に逆転を許すも、先の2試合で不調だった富樫がここで気を吐く。足の重くなったエジプトを持ち前のクイックネスで翻弄し、チームを牽引。悪い流れを断ち切った日本代表は、接戦となった終盤をしぶとく戦い抜き、最後は試合巧者ぶりも発揮して71-66で勝ち切った。
試合ごとにパフォーマンスを上げるチームを、長谷川健志ヘッドコーチはこんな言葉で称賛する。「試合毎に良いチームになっています。課題を克服しながらも、自分たちの良いところをしっかり出して戦ってくれています」
8日間で7試合を戦う過密日程の中、これまで3試合を戦い2勝1敗。今日が大会期間中で唯一となる休養日となっている。明日からは怒涛の5連戦。フィリピン、チャイニーズ・タイペイBチーム、韓国、イラン、アメリカと試合が続く。今回の遠征メンバーは14名。試合ごとに12名を登録する方式で、ローテーションを駆使しながら戦うことになるため、ここまでプレータイムの短い選手にも機会はやって来るはずだ。
若い日本代表が台湾の地で大きな収穫を得ることを願いたい。