レイカーズ

互いに決定打を欠き、終始重たい展開に

レイカーズが2勝1敗でリードして迎えたNBAファイナル第4戦。ほとんどの時間帯が2ポゼッション以内と拮抗した展開が続いたが、伏兵ケンテイビアス・コルドウェル・ポープの5連続得点で突き放したレイカーズが、粘るヒートを振り切り102-96で勝利した。

ヒートは肩の痛みで第2、3戦を欠場していたバム・アデバヨが2試合ぶりに復帰。そのアデバヨが速攻から先取点を決めて完全復活をアピールした。ヒートは序盤から激しいディフェンスを見せ、第1クォーターだけで7個のターンオーバーを誘発するが、3ポイントシュートを決めきれず流れに乗れない。また、第3戦の勝因になったアンソニー・デイビスのファウルトラブルを狙うが、ファウルをもらおうと意識しすぎてしまい、タフショットになって得点が伸びなかった。

一方、レイカーズはターンオーバーの多さをシュート精度で補った。インサイドアウトからオフェンス優位な状況を作り出し、コルドウェル・ポープ、カイル・クーズマが3ポイントシュートを高確率で決めたことにより、27-22とリードした。

第2クォーターに入るとヒートはセカンドユニットが奮起。アンドレ・イグダーラ、ケンドリック・ナンが3ポイントシュートを沈めるなど攻守が噛み合い、約2分半で12-2と走り逆転に成功する。デイビスのポストアップに対し簡単にボールを入れさせず、レブロン・ジェームズから前半だけで5個のターンオーバーを誘発するなど、デイビスとレブロンの得点を最小限に抑えた。しかし、今度はレイカーズのセカンドユニットが奮闘。アレックス・カルーソが内外から得点し、ラジョン・ロンドが老獪なゲームメークでアシストを量産し、レイカーズが2点リードして後半に突入した。

その後は互いに決定打を欠き、拮抗した展開が続く。レイカーズがターンオーバーから速攻を繰り出し流れを呼び込んだかと思えば、すぐさまヒートも苦し紛れのパスをスティールして流れを渡さない。レブロンが前半は1本も放っていなかった3ポイントシュートを解禁し、ディープスリーを成功させる。ヒートのディフェンスを広げることで優位な状況を作り、わずかながらレイカーズがリードした状態で試合は進んでいった。

伏兵コルドウェル・ポープの5連続得点で勝機

最終クォーター残り7分38秒、6点リードしていたレイカーズだったが、リバウンド争いでカルーソとデイビスが味方同士で衝突。デイビスが苦悶の表情を浮かべコートに倒れ込み、数的不利な状況でタイラー・ヒーローに3ポイントシュートを決められてしまう。突き放すチャンスを逸したレイカーズはその1分後、バトラーのドライブを許し、ついに83-83の同点に追いつかれた。

ハードワークと不屈の闘志を見せるヒートに飲み込まれてもおかしくなかったが、この悪い流れをレブロンが払拭した。この直後、ドライブからバスケット・カウントをもぎ取り3点プレーを成功させると、その後もギアを上げたレブロンが個で打開し、フリースローでリードを保った。

そして、残り3分を切ってからは『脇役』が主役級の働きをし始める。トランジションからコルドウェル・ポープがコーナースリーを成功させると、さらに打開できないレブロンにボールを託されたコルドウェル・ポープがダンカン・ロビンソンを抜き去り、レイアップを沈めてリードを3ポゼッション差に広げた。

ジェイ・クラウダーに3ポイントシュートを決められ、再び2ポゼッション差に迫られるが、今度はロンドがロビンソンとのマッチアップを引き出し、イージーレイアップで突き放した。ロビンソンはタフな3ポイントシュートを決めるなどオフェンス面で活躍したが、終盤にディフェンスの脆さを狙われた。そして、残り40秒、デイビスがショットクロックわずかな場面で3ポイントシュートを沈めて9点差にし、熱戦に終止符を打った。

レイカーズはレブロンが28得点12リバウンド8アシストとトリプル・ダブル級の活躍。前半に5個のターンオーバーを犯したが、後半は1個に抑え、違いを作った。デイビスは22得点に加え4ブロックショットと、リムプロテクターとしても暗躍した。そして、コルドウェル・ポープが15得点を挙げベンチポイントで27-13と上回るなど、脇役が揃って活躍したレイカーズがシリーズを3勝1敗とし、優勝へ王手をかけた。