「代表の一番上のカテゴリーでやれることを誇りに思う」
日本バスケットボール協会は今回の八村塁の代表入りを『希望が、帰ってくる』と表現した。高校バスケ界を席巻してアメリカへ渡り、ゴンザガ大でたくましく成長した八村が満を持して日本代表に加わった。ワールドカップのアジア1次予選はすでに0勝4敗と崖っぷち。アメリカから見ていた代表の戦いぶりは「リバウンドだったり、高さの部分やフィジカルの部分では負けていると思いました」と、歯がゆいものだった。「自分の国がバスケで負けているのを見てうれしいわけはありません。その中で自分が力になれたらと思っています」と八村は言う。
今回の合宿参加メンバー18人のうち、1998年2月生まれの八村は最年少の選手。それでも物怖じしている場合でないことは理解している。ヘッドコーチのフリオ・ラマスからは「よく帰ってきてくれた」という言葉で迎え入れられたそうだ。
「一人の日本人としてバスケをやってきていて、その中で日本代表の一番上のカテゴリーでやれるっていうことはすごくうれしいですし、誇りに思います」と、早くも『ジャパンプライド』を口にした。
「かかわっている人たち一丸となって戦って良い結果を」
八村に期待されるのは、まずは高さとフィジカル。そして、多くの選手が語っていたのが八村がディフェンスリバウンドを取って、そのままボールプッシュして試合のテンポが上がるということだった。同じく新たに代表に加わった万能スコアラーのニック・ファジーカスも含め、オフェンスのバリエーションは大きく増えることになりそうだ。
期待も責任も感じている。だが、八村の中で一線を引く部分もある。自分のワンマンチームにするつもりはなく、あくまでチームの一人として、勝利に貢献するということだ。
「期待されているのはうれしいんですけど、僕だけのチームではありません。誰か一人のチームではないし、誰か2、3人のチームでもないので、その中でチーム全員、コーチ、スタッフ、かかわっている人たち一丸となって戦って、それで良い結果が出てくるんじゃないかと思います」
今週末の国際強化試合、韓国との2試合が八村のデビュー戦となる。バスケットボールファンに『希望』を持たせてくれるようなダイナミックなパフォーマンスに期待したい。