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ロケッツとの『GAME SEVEN』では27得点の大活躍

結果だけを見れば、今年のNBAファイナルもキャバリアーズ対ウォリアーズのカードになった。ファンからは、「今年も両チームによるファイナルとなってガッカリした」という意見も出ているようだが、今年のキャブズ対ウォリアーズは過去3年のものとはまったく異なると言っていい。

NBA史上、東西カンファレンス・ファイナルが第7戦までもつれたのは1979年以来初で、両カンファレンスの勝者が敵地での第7戦に勝利したチームという事例は史上初だという。

王者ウォリアーズは、今シーズン最大のライバルになると言われたロケッツに追い詰められた。しかし、2勝3敗で迎えたホームでの第6戦に勝って『GAME SEVEN』を戦う権利を得ると、敵地での第7戦では勝負どころとなった第3クォーターに違いを作った。

前半は最大で15点のビハインド(33-48)を背負ったウォリアーズだったが、第3クォーターにはステフィン・カリーが14得点をマークし、33-15で第3クォーターを圧倒して逆転。同ピリオドに放った14本の3ポイントシュートを全て外したロケッツに対し、リードを保ち続けたウォリアーズが激闘を制した。

カリーは試合後、4年連続でもNBAファイナル進出は特別なことかを聞かれると、「もちろん。ここまでたどり着くのは本当に大変なんだ」とコメントした。

今シーズンのウォリアーズは、カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーン、ケビン・デュラントが負傷離脱する時期を経験し、過去4年で最も脆さが見られた。それでも2連覇という目標を達成するため、追い詰められてから底力を発揮し、ファイナルの舞台にたどり着いた。

対するキャブズは、さらに過酷な道を乗り越えてきた。昨夏カイリー・アービングをセルティックスに放出してロスター刷新を図ったものの、新チームは機能不全を起こしてしまい、今年の2月に解体を決断。レギュラーシーズン後半に新たなケミストリーを築く方向性に賭けた。

簡単にチーム作りが上手くいくはずもなく、シーズン終盤も不安定な成績を残しつつ、レブロン・ジェームズという絶対的なリーダーがチームを支え続ける日々の連続だった。レブロンは身体に鞭を打ってプレーし続け、キャリア初の年間全試合出場を達成。プレーオフでの平均出場時間は41.3分にものぼり、セルティックスとのカンファレンス・ファイナル第7戦では、48分のフル出場で35得点15リバウンド9アシストの大活躍を見せ、チームを4年続けて東の頂点に 導いた。

ウォリアーズとキャブズによる『第4ラウンド』は、過去3年の対戦とは異なる。下馬評では、『スーパーチーム』結成から2年目のウォリアーズが圧倒的に有利だ。だがレブロンのキャブズもまた、修羅場を潜り抜けてきた。レブロンは33歳の今が過去最高の状態にあると言っても過言ではなく、キャブズのサポーティングキャストが各々の役割を実行できれば、2年ぶりに王座奪還を果たす可能性が出てくる。

明日から開幕するNBAファイナル2018では、新たな歴史、ストーリーが生まれる。あと4勝を先に手にし、ラリー・オブライエン・トロフィーを掲げるチームはどちらになるのか。今年もキャブズ対ウォリアーズのシリーズ開幕を、世界中のバスケットボールファンが待ちわびている。