Bリーグオールスター、バスケワールドカップの開催地に
沖縄アリーナは2020年10月のオープン予定こそ遅れたものの、来年3月の開業に向けた工事は順調に進んでいる。現在は外観はほぼ完成し、内部の工事を行いつつ周辺整備を進めているところ。沖縄で最大となる1万人規模の新アリーナは、来場する人々や主催者の利便性に重きが置かれ、従来のアリーナよりも一歩進んだエンタテインメントと熱狂を提供してくれそうだ。
コンサートや展示会など幅広い活用が予定されているが、何と言っても注目すべきはスポーツアリーナとしての存在。もともとバスケ熱が高い県民性だが、この新アリーナは琉球ゴールデンキングスの本拠地となり、沖縄のバスケットボールを象徴する場所になる。キングスがこの会場を使用するのは早くとも2020-21シーズンの終盤戦あるいはチャンピオンシップ、2022年にはBリーグオールスター、2023年にはワールドカップの開催が決まっている。
沖縄市でワールドカップの受け入れを担当する宮里大八氏(沖縄市経済文化部観光振興課主幹)は、今年の11月28日に行われるワールドカップの1000日前イベントの準備を進めつつ、「沖縄は公園にリングやコートがあることも多く、子供にとっても一般の人にとってもバスケがすごく身近です。アリーナが完成すればもっと盛り上がっていくと思います」と、新アリーナ完成を機に地域が活性化することを望んでいる。
沖縄は観光収入が多い県であり、バスケが盛り上がることでインバウンドの活性化も見込める。これまで以上に県民のバスケ熱が高まることで健康寿命が上がるなどの効果もあるだろう。それでも宮里氏がワールドカップの開催に対して個人的に期待するのは『自信と誇り』だ。「大会を成功させたことを、市民の皆さんが誇りに感じてもらえたら。インバウンドとか経済効果もありますけど、それより何よりワールドカップを自分たちの手で盛り上げれば自信に繋がりますし、誇りになります」
沖縄県で行われた大きな国際イベントとして思い出されるのは2000年の沖縄サミットで、G8の首脳が一堂に会した。ニュースとしては大きく扱われたが、市民が参加する類のイベントではないため、ワールドカップを成功させられればサミット以上のインパクトとなる。
「来年はオリンピック、パラリンピックがあり、また関西ではワールドマスターズゲームズが行われますが、2023年には新型コロナウイルスの影響も落ち着いており、スポーツが大きく盛り上がる時期にFIBAワールドカップがやれることを期待しています。一番は市民の手でこの大会を成功させること。それを沖縄市だけでなく周辺の自治体も含めた沖縄県全体で、全国の皆さんをおもてなしできれば、去年のラグビーワールドカップのように日本全体で盛り上がって、世界中にその熱気を届けられるんじゃないかと思います」
もっとも、その熱狂は予定より早く訪れるかもしれない。ワールドカップはともかく、大陸ごとの大会だと開催地が直前まで決まらないことも多く、例えば来年秋に予定されているアジアカップの開催地は未定。FIBAやJBAが決めることではあるが「大会をやりたいのは間違いありません。ワールドカップに向けて一つのシミュレーションにもなります」と宮里氏は話す。
今後数年で沖縄のバスケ熱はますます高まりそうだ。日本屈指のエンタテインメントの場となる沖縄アリーナの完成が楽しみだ。
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