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ミッチェルの『セルフ・プットバックダンク』は伝説級

トヨタ・センターで行なわれた西カンファレンス・セミファイナル第2戦。第1戦ではロケッツの前に手も足も出せずに敗れたジャズは、19点差から一時逆転を許したものの、ジョー・イングルズがプレーオフでの球団記録となる7本の3ポイントシュート成功を含むプレーオフでの自己最多27得点を記録し116-108で勝利。対戦成績を1勝1敗のイーブンに戻した。

得点こそイングルズがチームハイを記録したが、オフェンスを牽引したのは新人のドノバン・ミッチェルだった。今シーズンのプレーオフでは最少の17得点に終わったが、1985年に当時の新人ジョン・ストックトンが記録した10アシストというプレーオフでの球団新人記録を上回る11アシストをマークし、勝利に貢献している。

快進撃を続けるミッチェルは、試合後のインタビューで「チームメートのおかげで上手くやれている。皆が『シュートを打て』と言ってくれるんだ」とコメント。また、この日は今後も語り継がれるであろう衝撃的なプレーも生まれた。

第4クォーター残り6分11秒、ミッチェルはドライブからフローターを放ったがミス。しかし、自らつかんだリバウンドをそのままワンハンド・プットバックダンクで叩きつけた。

実はミッチェルは、第1戦を終えた後にコービー・ブライアントから間接的にアドバイスを受けていた。コービーがプレーを分析し、解説する『ESPN』シリーズの『Detail』最新エピソードで、第1戦のミッチェルのプレーが取り上げられたからだ。コービーは「自分がミッチェルの立場だったらどうするか」という観点に立ち、主に以下の3点をアドバイスしていた。

・身体をぶつけてフィジカルで負けずにアタックすること

・インサイドのルディ・ゴベアを上手く使うこと

・シンプルなプレー、確率の高いプレーを選択すること

プレーオフでの連続20得点は途絶えたものの、第2戦でのミッチェルは、自らアタックしてロケッツの注意を引き付け、オープンなチームメートにパスを託す場面が多く見られた。そしてインサイドにダイブしたゴベアを見逃さず、ゴベアもまた確実にプレーを決めることに集中していた。

19点差を跳ね返されても勝ちきれた要因を聞かれたミッチェルは「ディフェンス。それに、サンダーとの1回戦の第5戦でも20点以上のリードがあったのに負けてしまったから、同じ失敗はできなかった」と答えている。

ティンバーウルブズとの1回戦を含め、ロケッツは3ポイントシュートが不調だった試合で勝てていない。試合を重ねるごとに堅守を誇るジャズの対応力が上がるのは間違いないため、敵地に移って行なわれる第3戦までにどう修正してくるのか、ヘッドコーチのマイク・ダントーニの腕の見せどころだ。