サンロッカーズ渋谷のチャンピオンシップ消滅、指揮官は「私に力が足りなかった」

2018/04/23
Bリーグ&国内
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文=鈴木栄一 写真=野口岳彦、鈴木栄一

「残念ですが、今まで以上に大事な5試合が待っている」

4月22日、サンロッカーズ渋谷はホームの青山学院記念館で千葉ジェッツと対戦した。前日は21点差の大敗を喫した同じ東地区の首位チーム相手に、最後まで食い下がるもあと一歩及ばずに67-71で惜敗。この結果、今シーズン30敗目を喫したSR渋谷は、チャンピオンシップ出場の可能性が消滅してしまった。

この試合、SR渋谷は第1クォーターで富樫勇樹にいきなり9得点を許すなど、千葉の得意とするトランジションオフェンスを出させてしまい15-28と2桁のリードを許してしまう。

しかし、第2クォーター以降はすべて千葉の得点をクォーター内で15得点以下に抑えたように、ディフェンスの立て直しに成功。22得点を挙げたベンドラメ礼生の奮闘もあって、徐々に追い上げると第4クォーター残り約7分には59-58と逆転に成功する。

その後は一進一退の攻防となるが、残り1分44秒、小野龍猛の3ポイントシュートで勝ち越される。さらには残り1分からのディフェンスで、千葉はシュートを2本外すが、ともにオフェンスリバウンドを奪われると、残り35秒にうまくインサイドにボールを通され、ギャビン・エドワーズにフリースローを献上。このフリースローをエドワーズが1本決め、時間を大きく消費されながら1回のオフェンスでは追いつけない4点差とされてしまう。

だが、ここからSR渋谷はベンドラメの得点で再び2点差とすると、直後に激しいディフェンスで千葉のミスを誘発して、ジョシュ・ハレルソンが残り約15秒でボールを奪取。しかし、ここで自らドリブルで進もうとしたハレルソンがファンブルしてまさかのアウト・オブ・バウンズ。痛恨のターンオーバーが決め手となり、粘りは届かなかった。

「これを40分間できないことが我々の弱さ」

SR渋谷のヘッドコーチ、勝久ジェフリーは「選手たちはとてもファイトしました。第1クォーターの悪い出だしからその後は、得点力のあるチームをロースコアに抑えたことは評価できます。しかし、やはりこれを40分間できないことが我々の弱さであって、それができないからチャンピオンシップ進出に値しないチームでした」と、激闘を振り返る。

これで昨シーズンに続いてのチャンピオンシップ出場の可能性が潰えたが、ここまでの戦いを振り返ると、前半戦はリーグ全体を沸かせるサプライズを起こす見事な戦いぶりだった。

オフに日本代表の帰化選手アイラ・ブラウンの移籍という大きな戦力ダウンがあり、さらに開幕からケガ人が続出。一時は伊藤駿、長谷川智也、広瀬健太といった主力が揃って不在となる危機に直面する。しかし、その中でも残ったメンバーが一致団結して戦うことで勝ち星を積み重ね、特に12月24日のアルバルク東京戦では、リーグ屈指の難敵相手に実質8人で臨んで62-60と大きな勝利。2017年を18勝10敗と白星を大きく先行させて終えた。

しかし、2018年に入り、ケガ人も戻ってきて、これからさらなる躍進を、というところでチームは失速。東地区との同地区対決に加え、オーバーカンファレンスもシーホース三河、琉球ゴールデンキングスが相手という過酷な日程が続いたこともあるが、2月16日の琉球戦から3月31日の栃木ブレックス戦までの13試合で1勝しか挙げられず。これで一気に黒星が先行してしまい、4月に入っても上昇気流に乗ることができずチャンピンシップを逃す結果となってしまった。

この大失速の原因は、果たしてどこにあったのか。「振り返ってみると一人ひとりが役割を理解し、どうチームに貢献できるのかという点において、メンバーが8人、9人だとファウルしても交代がいない、もしくは1人だけ。やるべきことはシンプルにせざるを得ないですが、全員が互いの強みを理解し、一つになってプレーできていました。しかし、13人、14人となって、共通理解の部分を全員に染み込ますことができなかった。まとめる力が自分に足りなかったと思います」

「フルメンバーで戦う機会の不足」が足かせに

今シーズンがヘッドコーチ1年目で、数々のアクシデントに見舞われた中でも、勝久はあくまで責任は自身にあると強調し、選手に対する苦言は一切なかった。ただ、8人、9人で作るケミストリーと、12名以上で作るケミストリーは違ったものであり、開幕前からフルメンバーで戦える機会が不足したのは事実。故障者で人数が少ない不利を覆して勝っていたSR渋谷であるが、どちらにせよ8人、9人で長いシーズンを乗り切ることは不可能。フルメンバー、もしくはそれに近い人数でチームを熟成させる時間が圧倒的に少なかったという点でいえば、結果的には故障者の多さが大きなダメージとなったシーズンと言えるのではないだろうか。

厳しい結末となったSR渋谷だが、レギュラーシーズンはまだ5試合あり、その内の3試合はホームゲーム。だからこそ、勝久は「チャンピオンシップに出られないのはとても残念ですが、今まで以上に大事な5試合が待っているという気持ちでチーム一丸となって戦いたい」と語る。

このコメントにあるのは、これまでずっと声援を送ってくれているファンへの大きな感謝があるから。「最後まで一体感を持って戦う。ここまで一緒に戦ってきてくれたファンの皆さんに、最後まで応援したいと思ってもらえるようなプレーをすることが大事です」と指揮官は締めくくっている。

これからの残り5試合、しっかりとプライドを見せて終わることができるのか。それはSR渋谷にとって来シーズンへとつながる大事な機会であり、決して消化試合ではない。