荒川颯

桶谷HC「アウェーで2つ勝ったことはよくやってくれた」

2月8日、琉球ゴールデンキングスはアウェーでの川崎ブレイブサンダース戦に77-65で勝利し、82-55で圧勝した前日と合わせ同一カード連勝を達成した。

前半はともにオフェンスの遂行力が低く、我慢比べの展開に。それでも琉球は第2クォーター終盤に岸本隆一の連続得点によって抜け出し、6点リードでハーフタイムを迎える。琉球は後半に入っても、前半最後の良い流れをキープ。各選手が積極的にアタックを仕掛けることで、インサイドアウトの展開が増えるなどパスがよく回る。その結果、しっかりと守備を崩して打てたことで、琉球は第3クォーターに3ポイントシュートを4本中4本成功させ、7人が得点を取るバランスの取れたオフェンスでリードを2桁に広げた。

第4クォーターに入っても試合を優位に進めた琉球だが、中盤以降はオフェンスが淡白になり、川崎の反撃を受けて残り3分で7点差に迫られる。それでも琉球は引き続きオフェンスが停滞する中でも、集中力の高いディフェンスを継続して要所をしっかり抑え、最後は川崎の凡ミスにも助けられて逃げ切った。

終盤の試合運びは課題となったが、それでも琉球の桶谷大ヘッドコーチは、前回の対戦となった12月24日の試合で90-96と敗れた川崎相手に、しっかりと連勝できたことへの手応えを語る。「終わり方は問題がありましたけど、今のBリーグはどこが勝ってもおかしくないくらい戦力は拮抗しています。うちもドット(デイミアン・ドットソン)が欠場していて、2連勝するのは簡単ではない。前回やられている川崎さん相手に、アウェーで2つ勝ったことはよくやってくれたと思います」

指揮官が言及したように、琉球はゲーム1で21分のプレータイムで12得点を挙げたドットソンがコンディション不良で欠場した。高確率の3ポイントシュート(41.4%)を武器にオフェンスの起爆剤となっているドットソンの抜けた穴は大きかったが、それを11得点の荒川颯、13得点の佐土原遼とベンチメンバーのステップアップで埋めたことが大きな勝因となった。

天皇杯の早期敗退でのテコ入れに伴い、荒川はオールスターブレイク明けとなる1月24日の千葉ジェッツ戦から、崎濱秀斗とともに先発に抜擢された。しかし、この新たな役割にうまくフィットしきれず3試合連続で0得点に終わると、1月31日のファイティングイーグルス戦からベンチ起用に戻っていた。ただ、それでも調子は上がらず、過去6試合の3ポイントシュートは19本中2本成功のみ。それがチーム1のシューターであるドットソン不在の試合で、長距離砲を4本中3本沈めた。

荒川颯

「自分がやるべきことをしっかり確立させないといけない」

2026年に入ってからリーグ戦で初の2桁得点を挙げた荒川は、「スタートになったりいろいろな使われ方をされることで、僕自身どうやって自分らしさを出したらいいのか考えすぎてしまった部分がありました。昨日の前半など、間違ったモチベーションで試合に入ってしまいました。自分らしさを出すために、気持ちの持って行き方のバランスの整理をしっかりして臨みました」と、今日の活躍の背景を語る。

また、次のような強い気持ちで臨んだことが好結果をもたらしたと明かした。「周りにどう思われようと、プロとして自分がやるべきことをしっかり確立させないといけない。そういう我の強さみたいなところも身につけていかないと、ただ周りに使われる選手になってしまいます」

この試合の荒川は、自ら仕掛けてシュートを決めることで勝利に大きく貢献した。「最後は詰めが甘かったですし、勝ちの中にも反省点はたくさんあります。ただ、プラスにとらえられることはしっかりと自信に繋げていきたいです」と、課題と共に確かな手応えを得た。そして、「試合で結果を出すことでこそ、自信を積み重ねていくことができます。手応えをつかむには積み重ねしかないです」と、今日の活躍に安堵することはない。

今回の荒川、佐土原のステップアップは琉球の総合力の高さを示したが、これは桶谷ヘッドコーチの、例え調子が悪い時でもチャンスを与え続ける起用法があってこそだ。「今日だけを見れば荒川も佐土原もすごく良い感じでしたけど、彼らも苦しんで苦しんでの今日の活躍です。みんな苦しい時期もあって、良いプレーでチーム救ってくれることもあります。だから、それぞれが目の前の課題を受け入れて、成長しようとやり続けることが大切です」

こう語る指揮官は、長いレギュラーシーズンを通して成長を続け、最後にベストなチームを作ることを信念としている。「目の前の試合に勝つことはもちろん大事です。ただ、それだけでなく、しっかりと個々の選手を成長させていくことで最後にチームが強くなっていきます。そこをみんなが理解して、これからも臨んでいきたいです」

先を見据えたチーム作りで琉球は結果を残してきた。この方針をブレずに貫けるのは、ここ一番でベンチメンバーがチームを救ってきた成功例の積み重ねがあるから。だからこそ、今回の荒川と佐土原の活躍、苦しんでいたベンチメンバーのステップアップで勝ちきれたことは大きな意味がある。