ジェームズ・ハーデン

残り45秒で7点差を追いつく逆転勝利

西カンファレンス5位のロケッツがシーズン再開初戦でマーベリックスと対戦した。

ロケッツはジェームズ・ハーデンが第1クォーターだけで23得点と爆発して主導権を握ったが、マブスも高さで勝るクリスタプス・ポルジンギスにボールを集めて対抗する。224cmのボバン・マリヤノビッチがオフェンスリバウンドから連続でゴール下を決めるなど、超スモールラインナップの欠点を突いた。

マブスはハーデンにダブルチームを仕掛け続け動きを制限。数的不利な状況を作るリスクもあったがこれが功を奏した。相手のリズムを崩したマブスはルカ・ドンチッチが巧みなゲームメイクでオフェンスを牽引。パスを散らしながら自らも得点し、85-75と2桁のリードを奪って前半を終えた。

ロケッツはラッセル・ウェストブルックとハーデンが突破力を生かし得点を量産するが、セカンドチャンスポイントを何度も許し追いつけないまま時間が進んでいった。

残り45秒、ドンチッチがディフェンスを引きつけ、マキシ・クレバーの3ポイントシュートをお膳立てし7点のリードを奪った。これで試合の大勢は決したかに見えたが、直後にハーデンがディープ3ポイントシュートを沈め望みを繋いだ。残り5秒、3点ビハインドのロケッツはハーデンにボールを託す。マブスは時間と点差を考え、ファウルで止めて2本のフリースローを選択した。

1本目を沈めたハーデンは、15本連続でフリースローを成功させた。2本目はリングに嫌われるも、逆サイドから回り込んだロバート・コビントンがこぼれ球を押し込み、土壇場で同点に追いついた。

オーバータイムに入っても拮抗した展開が続いたが、絶体絶命のピンチを乗り越えたロケッツの勢いが勝った。残り1分22秒、ここまで9本連続で3ポイントシュートを外していたコビントンが初めて3ポイントシュートを成功させ、リードを4点に広げた。そして残り28秒、PJ・タッカーがドンチッチからオフェンスファウルを誘発し、ファウルアウトに追いやったところで勝負アリ。ロケッツが153-149という超ハイスコアリングゲームを制した。

49得点を挙げたハーデンはチームを救ったコビントンのティップインを絶賛するとともに、わざとフリースローを外したわけではなかったことも明かした。「信じられないようなプレーだったよ。ミスするつもりはなかったし。完璧なミスだったよ」

そのコビントンは「PJには何をすればいいか伝えた。これまでに所属したチームでも同じプレーは練習していたからね」と起死回生のプットバックシーンを振り返った。またポルジンギスのダンクをブロックするなど持ち味のディフェンス力を発揮したコビントンは「13点ビハインドの状況もあったし、集中して些細な部分を修正しないといけなかった。とにかく集中してやれたよ」と語り、逆転勝利を喜んだ。