ディオン・ウェイターズ

「僕のニックネームは『フィリー・チーズ』なんだ」

まだレイカーズの選手として公式戦デビューを果たしていないディオン・ウェイターズだが、7月25日に行われたマジックとのスクリメージ(練習試合)でベンチから出場して12得点3リバウンドを記録し、119-112での勝利に貢献した。

2016-17シーズンに加入したヒートではケガ続きで本来の力を発揮できず、いつしかチームの問題児に。特に今シーズンは開幕前にチームへの不満をSNSに投稿したことへのペナルティとしてチームから出場停止処分を科され、この処分は3度に及んだ。ヒートは若手に切り替えて絶好調だったが、本来それを引っ張るはずだったウェイターズは1月に3試合に出場しただけでトレードされ、解雇された。

ヒート加入からのシーズンを追うごとにスタッツを落とし、今シーズンに至ってはほとんど貢献ゼロ。懲罰的に解雇されたウェイターズは、次の契約を得るのも簡単ではないと思われた。それだけに、優勝候補筆頭ともいうべきレイカーズの一員としてコートに戻れたことはラッキーだ。

レイカーズにとって、この時期にJR・スミスとウェイターズを新たにチームに加えるのはリスクでもある。しかし、優勝を狙えるチームにとって相応しい実力者でなければ意味はない。自ら仕掛けて得点を奪い、オフェンスにリズムを生み出せる選手としてリスク承知でウェイターズを獲得した。それだけに、このスクリメージの期間も彼がどれだけチームにフィットできるかは大事になる。

この日はベンチからウェイターズに声援を送るチームメートの姿もあった。カットインからレイアップを決めたプレーでは、ベンチにいたダニー・グリーンが「Say cheese!」とシャウト。試合後の取材に応じたウェイターズは、フィラデルフィア出身ということもあり、ヒート時代から『フィリー・チーズ』という愛称で呼ばれていることについて触れた。

「僕のニックネームは『フィリー・チーズ』で、あのチャントはDG(グリーン)が言い始めたんだ。僕は観客の声援が力になるタイプの選手だ。でも、仲間にサポートしてもらえるのはありがたいし、うれしいよ」

ウェイターズは、再開後のシーズンでバックコートを支える役割を担う。今後も無観客のコートで彼が活躍するたびに、レイカーズのベンチからは「Say Cheese!」という声が起こるだろう。ヒートとは全く違う環境を与えられたウェイターズとしては、ここで選手としての真価をするしかない。

レイカーズはチームの雰囲気も良く、シーズン中断前のケミストリーを維持しながらシーディングゲームに臨めそうだ。