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「決めた直後はムカついていた」

2018年のオールスターウィークエンドは、7年ぶりにロサンゼルスで開催された。オールスター・サタデーの目玉イベント『スラムダンク・コンテスト』は、パフォーマンスの質、会場の熱ともに、ここ数年の大会の中ではベストの一つに数えられるものだった。

7年前にロサンゼルスで開催されたダンクコンテストでは、当時クリッパーズで1年目のシーズンをプレーしていたブレイク・グリフィンが、今も語り継がれる『自動車超え』という前代未聞のダンクを披露し、優勝を飾っている。 グリフィンは、当時クリッパーズに所属したバロン・デイビスがサンルーフから上げたトスを掴んで豪快にリムに叩きつけたのだが、本当はウィンドミルダンクで決める予定だったと、『The Undefeated』に出演した際に明かした。

グリフィンは「ダンクを決められないと思って、心配していたんだ。本当はウィンドミルを決めるはずだった。でも、トスの位置が少し高くて、それで単純なダンクで終わった。決めた直後はムカついていたんだ。優勝するには十分じゃないと思ったからね。でも上手く行った」と振り返った。

2009年のドラフト全体1位でクリッパーズから指名されたグリフィンにとって、1年目のシーズンはあっという間に過ぎた。ケガで2009-10シーズンを全休し、ようやくNBAデビューを果たした2010-11シーズンには新人王を獲得。1年目からオールスターにも選出される大車輪の活躍を見せ、ロサンゼルスを代表して球宴の舞台にも立つなど、そのキャリアは順風満帆に見える。しかし、華やかな舞台の裏では親友の死を経験するなど、決して楽しい思い出や記憶だけではなかったと話す。

「あの時のオールスターは、おぼろげな記憶だね。オールスターウィークエンドまでロードで8連戦を経験していたし、ブレイクに入る直前の水曜日には親友が亡くなった。それから俺はスラムダンク・コンテスト、ルーキーゲーム、そしてオールスターゲームにも出場した。それに開催地はロサンゼルス。いっぱいいっぱいだった。NBAでの生活も、当時はまだ何も分からなかったしね。あの時のスラムダンク・コンテストを、もう少し楽しい思い出と一緒に振り返れたら良かったのに」

今シーズンはトレードデッドライン前にクリッパーズからピストンズにトレードされたグリフィンは、新天地でもブレイクまでに8試合に出場し平均20.4得点、8.0リバウンド、6.1アシストを記録。新たなエース、リーダーとして古豪再建に貢献することを期待されている。今回はオールスターに選出されなかったものの、来シーズンはピストンズの顔として、シャーロットで開催されるオールスターウィークエンドに参加してもらいたい。