カワイ・レナード

「12回ぐらい跳ねてようやくネットに吸い込まれた」

昨シーズンのラプターズvsシクサーズのプレーオフ第7戦でカワイ・レナードがブザービーターを決めてから1年が経過したが、パスカル・シアカムはその歴史的な場面を今でも鮮明に記憶している。

シアカムは先日『#NBATogether with Ernie Johnson』に出演し、間近で見ていたレナードの『ザ・ショット』を振り返った。当時コートに立っていたシアカムは、レナードがシュートを打つとは思っていたがシクサーズから激しくマークされていたため、時間内に打てるかは分からなかったという。それでも、インバウンドパスを受けたレナードはベースラインへとドリブルし、ジョエル・エンビードとシモンズを振り切った。

シアカムはその時の様子をこう語った。「どんなプレーをするつもりだろう、ジャンプシュートを打てるんだろうか? と思っていた。彼がシュートを放ってリングでボールが跳ねるのをずっと見ていたよ。ボールがバウンドするたびに、僕もそれを見ながら飛び跳ねていた。何度ボールが跳ねたかは分からないけど、12回ぐらい跳ねてようやくネットに吸い込まれた」

ボールの行方を見守っていたシアカムだったが、ゴール下でリバウンドを拾おうとしていたサージ・イバカが目に入ったという。「サージがゴール下で待ち構えてリバウンドを取ろうとしていた。ボールがバウンドしている間も彼はジャンプしようとして、僕はそれを見ながら『頼むからジャンプしないでくれ』と思っていたんだ。ゴールテンディングを起こしてほしくなかったからね」

ボールがネットに吸い込まれた後は、シアカムを含むチームメートや関係者、ファンがレナードへ駆け寄り、彼をもみくちゃにしながら祝福した。「信じられないような瞬間だった。あの瞬間を忘れることはないよ。一瞬だったけど永遠のようにも感じられた」

NBAプレーオフ史上、シリーズの勝敗がかかる最終戦で決勝ブザービーターを沈めた選手は、2019年のレナードと1989年のマイケル・ジョーダンしかいない。このブザービーターはレナードのキャリアハイライトに含まれるだけではなく、NBAの歴史に残る決勝ブザービーターとして語り継がれていく。