カワイ・レナード

レナードが歴史に刻んだ一投

直近でもっともNBAファンの記憶に残り、また歴史に刻まれた決勝点の場面は、昨シーズンのプレーオフで生まれたカワイ・レナードの決勝ブザービーターだろう。

2018-19シーズンのみラプターズに所属し、球団初優勝に貢献したレナードは、セブンティシクサーズとの東カンファレンス・セミファイナル第7戦で、勝負を決めるコーナーシュートをリングに沈めた。

90-90の同点で迎えたラストポゼッション。ジョエル・エンビードとベン・シモンズにマークされながらレナードが放ったコーナーシュートは、リングに当たりバウンドし、さらにリングを回ってからネットを潜った。この劇的なシュートによりラプターズは勝利し、レナードはチームをシリーズ突破に導いた。

このシュートをベンチから見ていたダニー・グリーンは、「あの1秒は45秒くらいに感じた」と、『CBS Sports』に語った。「あのシーンは、彼のプレーをセットしたわけではなかったと思う。どんな場面でも選択肢は複数あるからね。ただ、他の選手がオープンになれなくて、それでカワイにボールを託した。彼はボールを受けるとプレーを決めにいった」

「ボールがバウンドした1秒は、少なくとも45秒くらいに感じた。それでボールがリングを回り始めた。カメラでとらえた映像だと一瞬のように見えるけど、実際にあの場にいた立場からすると、ボールはずっと回っているんじゃないか、ずっとバウンドし続けるんじゃないかと思ったよ」

NBAプレーオフ史上、シリーズの勝敗がかかる最終戦で決勝ブザービーターを沈めた選手は、2019年のレナードと1989年のマイケル・ジョーダンしかいない。このブザービーターはレナードのキャリアハイライトに含まれるだけではなく、NBAの歴史に残る決勝ブザービーターとして語り継がれていく。