解任劇の引き金を引いたシクサーズにリベンジ
ヘッドコーチのジェイソン・キッドを電撃解任したバックスは、そこから4連勝をマーク。最初の3勝はサンズ、ネッツ、ブルズと格下相手から挙げたものだったが、29日にはシクサーズに勝利。今年に入って4勝7敗と勢いのなかったバックスは指揮官交代を機に持ち直し、東カンファレンス5位へと順位を上げている。
1月20日、キッドが率いた最後の試合が同じシクサーズ戦だった。この時は終始圧倒される展開で、94-116と大敗を喫している。それから9日後、新生バックスは攻守が噛み合い、エナジーでシクサーズを圧倒。第3クォーター中盤に突き放し、終盤は余裕の試合運びで完勝した。
シクサーズは前日のサンダー戦に続く連戦ということでジョエル・エンビードを休養させていたが、勝ちは勝ち。バックスにとっては非常に大きな1勝となった。31得点19リバウンドと大活躍したヤニス・アデトクンボは「ただお互いを信頼して、ハードにプレーしているだけ」と充実した表情を見せる。
シクサーズの指揮官ブレッド・ブラウンは「エンビードがプレーしない試合では3ポイントシュートがはいらないと勝てない」と首を振る。頼みの3ポイントシュートは26本中成功わずか2本、18本連続失敗があるなど散々。ここはバックスの対策が完全に上回った。
#GiannisAntetokounmpo (31 PTS, 18 REB, 6 AST) put up big numbers to guide the @Bucks to the victory at home! #FearTheDeer pic.twitter.com/9RM0liH6S3
— NBA (@NBA) 2018年1月30日
キッド解任でチームに刺激を与えることはできた。しかし、大事なのは目先の勝利ではなく今後数年に渡りバックスがどんなチームを作っていくか、その道筋を作り、提示することだ。
将来のバックスの中心にヤニス・アデトクンボがいるのは間違いない。NBAでの5シーズン目を戦うアデトクンボは、リーグを代表するスター選手となったが、まだ23歳。レブロン・ジェームズがピークを過ぎ、今のウォリアーズが解体される時まで十分に待てるだけの若さだ。
バックスとの契約は2021年まで残っており、バックスとしてはこの間にできる限り上まで飛躍し、できればNBA優勝を狙いたい。反対に最悪のシナリオは、アデトクンボの野心に見合うだけの競争力をチームが持てず、トレードを志願されてしまうことだ。キッド解任は、プレーオフ進出で満足するチームではなく、『そこで勝てるチーム』を目指すという意思表示でもある。
それでも、目先の勝負にこだわらずしてチームがレベルアップすることはない。バックスは2日のニックス戦で、左ヒザ前十字靭帯のケガで長期欠場していたジャバリ・パーカーが復帰すると発表した。ここでチームがさらに勢いに乗れるか。今のバックスには注目だ。